トランプ次期大統領、初日に大統領令を次々出すと宣言 就任前夜の「勝利集会」

トランプ次期米大統領

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レイチェル・ルッカー、スミ・ソマスカンダ、BBCニュース(米ワシントン)

アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は、ホワイトハウス復帰を翌日に控えた19日夜、首都ワシントンで集会を開いた。就任初日に電撃的な大統領令を次々と出すと支持者らに約束。就任の宣誓を終えたらすぐ、「歴史的なスピードと強さ」で行動すると述べた。

「勝利集会」と銘打った集会には、数千人が参加。トランプ氏は歓声を浴びるなか、大統領選での勝利を祝い、今後4年間の展望を語った。

トランプ氏は、さまざまな問題で独断的に行動すると約束。大統領権限を使い、大規模な強制送還、環境規制の削減、多様性プログラムの終了などを進めるとした。

そして、「私たちはアメリカを第一に考える。すべては明日から始まる」、「明日はテレビを見るのがとても楽しくなるだろう」と話した。

就任当日の20日には、トランプ氏は200本以上の大統領令に署名するとみられている。これには、法的拘束力のある大統領令や、通常は法的拘束力の伴わない布告などがある。

トランプ氏は、「バイデン政権の過激で愚かな大統領令は、私が就任宣誓をして数時間のうちに廃止される」と述べた。

トランプ氏が出すと約束した大統領令には、人工知能(AI)プログラムの強化、政府効率化省(DOGE)の新設、1963年のジョン・F・ケネディ大統領(当時)暗殺に関する記録の公開、ミサイル防衛システム「アイアンドーム」の創設、軍での「多様性、公平性、包括性(DEI)」方針の撤廃――に関するものなどがある。

この日はまた、トランスジェンダーの女性がスポーツで、女性のカテゴリーに出場できないようにすると発言。さらに、教育の主導権を州に戻すと、自らの支持者らに訴えた。

「大統領令を見れば、みんなとてもうれしくなるだろう」、「国を正しい方向に導く必要がある」と、トランプ氏は語った。

大統領が就任と同時に大統領令を出すのは通例のことだ。ただ、トランプ氏が初日に出す本数は、過去にない多さとなる可能性がある。その多くは、裁判で争われることが予想される。

その中には、不法移民をターゲットにしたものもあると、トランプ氏は述べている。同氏は大統領選で、不法移民の問題を核心に据えてきた。

ただ専門家らは、何百万人もの不法移民を強制送還するというトランプ氏の公約について、実施面で大きなハードルがあり、費用も数百億~数千億ドルに上る可能性があるとしている。

トランプ氏はまた、2021年1月6日に自らの支持者らが主導した連邦議会議事堂での暴動に参加し、有罪判決を受けた人々に対し恩赦を出す見込みだ。

トランプ氏はこの暴動の参加者を「人質」と呼び、20日には誰もが、自分の決定に「非常に満足」すると約束した。

マスク氏やトランプ氏の家族らも登壇

ワシントンのキャピタル・ワン・アリーナ(約2万人収容)で開かれたこの日の集会は、キッド・ロック氏のパフォーマンスで始まり、テレビ司会者メギン・ケリー氏、俳優ジョン・ヴォイト氏、トランプ氏の上級顧問のスティーブン・ミラー氏らがスピーチした。

また、DOGEを率いるイーロン・マスク氏も短いスピーチをした。マスク氏は、共和党の大統領候補指名争いでトランプ氏に敗れた起業家ヴィヴェク・ラマスワミ氏と共に、DOGEの運営に当たる。

トランプ次期米大統領の集会

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トランプ氏の息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック氏、エリック氏の妻ララ・トランプ氏など、次期大統領の家族もステージに登場した。

20日の大統領就任式は、厳しい寒さのため、40年ぶりに連邦議会議事堂で開かれる。就任宣誓が行われる正午ごろには、気温はマイナス6度近くになると予想されている。

支持者らは当日、キャピタル・ワン・アリーナで中継を見るよう呼びかけられている。会場では、伝統的な屋外パレードの一種が催される。

トランプ氏は就任式後、そこで「群衆に加わり」、就任演説をするとしている。演説のテーマは、結束、強さ、「公正」だと報じられている。

有名伝道師の故ビリー・グレアム氏の息子フランクリン・グレアム氏が、就任式で祈りを主導する。

同氏は、「トランプ大統領は2017年当時とはだいぶ変わったと思う」、「神が彼を強め、彼はずっと強い人物としてこの局面を乗り越えた。そして彼は、自らが経験したすべての苦難によって、ずっとよい大統領になると思う」と、19日のBBCのラジオ番組で話した。