中道リベラルのイェッテン氏が少数与党政権を発足、オランダ史上最年少の首相に

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アンドレ・ローデン=ポール、アナ・ホリガン
オランダで23日、昨年10月の総選挙で勝利した中道リベラル派「民主66(D66)」のロブ・イェッテン党首が首相に就任した。38歳のイェッテン氏は、同国の最年少かつ、同性愛者を公表している初の首相となる。
昨年の総選挙でD66は、反イスラムを掲げるヘルト・ウィルダース氏が率いる極右与党・自由党を僅差の得票率で破り、第1党となった。しかし、定数150のオランダ下院で、両党はどちらも26議席しか獲得できず、単独で過半数を超える党はなかった。
イェッテン氏は今回、中道右派リベラルの自由民主国民党(VVD)およびキリスト教民主アピール(CDA)と共に、少数与党政権を発足させた。
新首相は今後、19億ユーロ(約3500億円)の追加防衛費から、医療や給付の痛みを伴う削減まで、連立合意に盛り込まれたあらゆる主要改革について、採決ごとに交渉する必要がある。
連立政権はまた、難民に到着後ではなく、ヨーロッパ域外で亡命申請するよう求め、亡命希望者を減らす方針だ。オランダでは、亡命をめぐる移民問題が特に敏感な争点となっており、直近の二つの連立政権崩壊につながった経緯がある。
イェッテン氏は、同国史上最も短命の政権の一つを率いたディック・スホーフ氏の後任として首相に就任した。
内閣にはD66が7人、VVDが6人、CDAが5人、それぞれ閣僚を出し、さらに各党から3人ずつの国務次官が任命される。
イェッテン氏は23日、ハーグのハウステンボス宮殿で、ウィレム・アレキサンダー国王から正式に任命された。
宣誓就任式に先立ち、イェッテン氏はソーシャルメディアに自撮りの写真を投稿。皆さんと一緒にこれができることを、誇りに思う。大きな責任と、そして何より、オランダの全員のために取り組むという、共通の約束を抱いて、新しいフェーズへと臨む」と書いた。
また、「何が間違っているかにこだわるのではなく、改善できることをもとに積み上げていく。そのためには勇気と協力が必要だ」と述べた。
「さあ、仕事に取りかかろう」

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言葉巧みで、笑顔を絶やさず、我慢強いイェッテン氏はかつて、リハーサルしすぎのぎこちないテレビ出演を理由に、「ロボット・イェッテン」というあだ名を付けられた。それ以来、そのあだ名の払拭に長年取り組んできた。
昨年10月の選挙当夜、その変身ぶりは際立っていた。アムステルダムとハーグの間にあるライデンの、観衆であふれ汗ばむ音楽会場で、イェッテン氏は若い支持者たちが周囲で歓声を上げる中、自然体で落ち着き、自信に満ち、身なりを整えているように見えた。
その夜、BBCニュースが会場で話を聞いた多くの人々にとって、イェッテン氏はウィルダース氏とは正反対の存在だった。比較的若く、前向きで、親欧州連合(EU)派で、社会的にリベラルなイェッテン氏は、年長で強硬右派が多い既成勢力に対抗する新顔だと受け止められていた。
オランダでは、イェッテン氏の性的指向は選挙戦でほとんど取り上げられなかった。これは、性的マイノリティ(LGBTQ)の平等が、この国でいかに主流のことになっているかを示している。
しかし世界的に見れば、イェッテン氏は同性愛者を公言している非常に少ない指導者の一人だ。カミングアウトが重大なリスクを伴う国の人々にとって、同性愛者の男性が首相になる姿は、強い象徴性を持つ、「ガラスの天井」を破る瞬間となる。
23日に宮殿の階段を覆う赤いじゅうたんの上で国王の隣に立ったイェッテン氏は、場慣れした首相らしさをすでに備えていた。
イェッテン氏は首相に正式に就任した後、インスタグラムに公式写真を投稿し、「さあ、仕事に取りかかろう」と簡潔なキャプションを付けた。
自分自身の右派連立政権から6月に離脱し、政権を崩壊させたウィルダース氏は、イェッテン政権によるあらゆる施策に反対すると述べている。他の政党もこれまでに提示された計画に懸念を示している。
最大の野党連合「緑の左派党と労働党」のイェッセ・クラーヴァー下院代表は20日、ソーシャルメディア「X」への投稿で、新政権の財政計画について「一般の人々は数百ユーロを余分に支払うことになる一方で、最富裕層は追加負担を一切求められない」と指摘。「これは不公平で、オランダが前進する助けにはならない。私たちはこれらの計画を修正する責任を負う。この状況は変わらなければならない」と述べた。










