キーウにミサイル攻撃、53人負傷 すべて撃墜するも破片で被害と当局

大きな被害を被ったキーウ市内
画像説明, キーウは大きな被害を被った。当局は撃ち落としたミサイルの破片によるものだとしている

ウクライナの首都キーウで13日未明、ロシアによるミサイル攻撃があった。当局は53人がけがを負ったと発表した。

ミサイル攻撃は午前3時ごろ始まった。キーウが攻撃されたのはこの1週間で3回目。

ウクライナ空軍は、飛来したロシアの弾道ミサイル10発すべてを対空ミサイルで撃ち落としたとした。

ミサイルの破片で、幼稚園や病院が損壊したとされる。

キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、負傷者のうち6人は子どもだと説明した。

キーウはここ数週間、ロシアのドローン(無人機)による攻撃にさらされている。ただ、8日の攻撃では巡航ミサイルが79日ぶりに発射されており、11日と13日には弾道ミサイルが使われた。

この日の攻撃では、集合住宅の窓ガラスが吹き飛び、駐車してあった車は落下した破片で破壊された。弾道ミサイルは速度が非常に速いため、空襲警報が間に合わず、サイレンが鳴る前に大きな爆発音が響いた。

ミハイロ・ポドリャク大統領顧問は、「弾道ミサイルはまさに人々を防空シェルターに避難させない目的で使う」とXに書いた。

男性住民のオレクサンデルさんはBBCに、夜中に自宅の窓が吹き飛んだと話した。そして、隣人とその子どもたちが救急車で運ばれた様子を思い出して泣き出した。

オレクサンデルさん
画像説明, オレクサンデルさんは自宅の窓が吹き飛んだと話した

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、攻撃への対応を約束。「ロシアは夜間にミサイルを発射し、冬の住宅地や幼稚園、エネルギー施設を攻撃しようとした。再び極悪非道な国であることを証明した」とXに投稿した。

ゼレンスキー大統領はこの攻撃の少し前、訪問していたアメリカを離れた。同国では議会に対し、ウクライナへの軍事支援の拡大を訴えたが、消極姿勢の共和党議員の支持を獲得することはできなかった

ゼレンスキー大統領は13日、防衛支援を協議するためノルウェーに到着した。同国訪問は事前には発表されていなかった。

ウクライナへの追加支援は、欧州連合(EU)でも14日に首脳らが協議する予定。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「ウクライナが強くなるのに必要なものを与えなければならない」としている。

ウクライナ支援をめぐっては、EU加盟国のハンガリーが反対姿勢を明確にしている。オルバン・ヴィクトル首相は最近も国内メディアに、ウクライナのEU加盟交渉を開始すべきではないとの考えを改めて示した。

こうしたなかEUは13日、ハンガリーに対する100億ユーロの資金援助を停止すると発表。ハンガリーにウクライナ支援への反対姿勢を緩めるよう迫るものだとして批判されている。

炎上した建物の消火にあたる消防士ら(13日、キーウ)

画像提供, Reuters

画像説明, 炎上した建物の消火にあたる消防士(13日、キーウ)

一方、ウクライナ最大のモバイル・ネットワーク事業者「キーウスター」が12日、ロシアによるウクライナ本格侵攻が始まった昨年2月以降で最大規模のサイバー攻撃を受けたとみられている。

同社は13日には運用を復旧させたいとしている。

キーウスターの携帯電話サービスには、ウクライナ国民の半数以上が加入している。今回のサイバー攻撃で、数百万人が空襲警報を受け取れない恐れが生じている。

攻撃をめぐっては、先にインターネット・プロバイダーやウクライナのウェブサイトを攻撃したロシアのハッカー集団が、関与を表明している。

この影響で、キーウのショッピングセンターでは日中、携帯電話の加入先を切り替えようとする人々が行列をつくった。

家族全員がキーウスターを利用しているというリディアさんは、孫が学校のオンライン授業に参加するのにインターネットへのアクセスが必要だとBBCに話した。

リディアさん
画像説明, 携帯電話の契約先を変更しようと列をつくっていたリディアさん

他方、南部の港湾都市オデーサも、12日夜から「数時間」にわたってドローン攻撃を受けた。現地の軍責任者が説明した。男性2人が負傷し、民間インフラに被害が出たという。