ゼレンスキー氏、西側のウクライナ支援の「再活性化」模索 EU加盟交渉や予算承認滞る中

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日、アルゼンチンのハビエル・ミレイ新大統領の就任式に出席するために訪れていた同国で、ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相と言葉を交わした。オルバン氏はウクライナが強く望んでいる欧州連合(EU)加盟を阻止しようとしており、両首脳のやり取りは短時間ながらも感情的なものに見えた。
ゼレンスキー氏は10日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われたミレイ新大統領の就任式に出席した際、ハンガリーのオルバン首相と対面した。
オルバン氏はウクライナのEU加盟プロセスを進めることに、声高に反対している。
両首脳の接触の様子からは、今週後半に予定されている外交面の動きが失敗することへの懸念が生じている。
ゼレンスキー氏と、EUの「バッド・ボーイ」と広くみなされているオルバン氏との間でどんな言葉が交わされたのか、それを理解できるのは読唇術のプロだけかもしれない。
しかし、ウクライナの戦争努力にとって非常に重要となりうる1週間が始まるのを前に、このやりとりが交わされたことは事実だ。
ウクライナ紙キーウ・ポストは、両首脳が立ち話する様子をソーシャルメディアに投稿した。
ゼレンスキー氏、開戦後2度目のワシントン訪問へ
アメリカから600億ドル(約8兆7300億円)の防衛援助パッケージを得ようとしているゼレンスキー氏は、12日にアメリカ・ワシントンへ向かう。
ジョー・バイデン米大統領は議会に対し、ウクライナ支援を含む追加予算の承認を要請しているが、うまくいっていない。アメリカとメキシコの国境の安全保障にもっと予算を回すべきだと主張する野党・共和党からの反発に直面している。
上院は6日、ウクライナへの軍事支援を含む大型支出法案を51対49で否決した。
ゼレンスキー氏のホワイトハウス訪問は、ロシアによる全面侵攻が始まって以来2度目。前回は昨年9月だった。
ワシントン滞在中、ゼレンスキー氏は下院のマイク・ジョンソン議長(共和党)とも会談する予定。
EU加盟交渉と財政支援は
14日にはベルギー・ブリュッセルでEU首脳会議が開かれる。全加盟国の承認が得られれば、ウクライナの正式な「加盟」に関する交渉が開始される。
そうなれば、完全なEU加盟へと続く非常に長いはしごを一段のぼることになるが、このプロセスが成功する保証はない。
ウクライナへの500億ユーロ(約780億ドル)の財政支援パッケージも承認されるはずだった。
しかし、ハンガリーのオルバン首相はこの二つを阻止するとしていて、EU各国から不満が噴出し、ウクライナ政府の怒りを買った。

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オルバン氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの全面的な、血なまぐさい侵攻を行うと決定した後も、プーチン氏との関係を維持してきた。そのため、プーチン氏の「口利き役」だと批判されている。
ロシア政府に対する一連の制裁措置には首を縦に振りながら、ウクライナに追加の資金や武器を送ることには反対している。
オルバン氏はEU各国首脳が、ウクライナの加盟を認めるよう「我々(ハンガリー)に無理強いさせている」と主張し、EUの全体的なアプローチについて「戦略的な議論」を行うよう求めている。
EU加盟を熱望するウクライナについては、「世界で最も腐敗した国のひとつ」とまで言っている。
オルバン氏が自国で、民主主義の後退を監督していると非難されていることを考えると、ウクライナ政府の怒りに火をつける主張だ。
オルバン氏がウクライナを交渉の切り札として利用し、EUからさらに多くの資金を引き出そうとしているとの見方もある。
ウクライナにとって今週は、大きな試練の1週間だといえる。ウクライナ当局者はBBCのジェシカ・パーカー記者に対し、いまのところは、EU加盟交渉に関する決定は、EUの経済支援よりもウクライナの士気に大きな影響をおよぼすだろうと話した。
ゼレンスキー氏は(EU加盟交渉は)「ウクライナ社会と軍のモチベーションに大きな影響を与える」だろうとソーシャルメディアに投稿した。
実際のところ、ハンガリー以外にも、EU圏の拡大に難色を示している加盟国もある。
ただ、ある外交官は、いまのところ話し合いを保留にしているのはハンガリーだけで、「まさに26対1の問題」だと話した。









