香港民主活動家の周庭氏、カナダに事実上亡命 身の安全考慮し「香港には戻らない」

画像提供, Reuters
香港で無許可集会を扇動した罪で約7カ月にわたり収監され、2021年6月に出所した、著名な民主活動家の周庭(アグネス・チョウ、27)氏は3日、カナダに事実上亡命することを明らかにした。周氏はカナダへの留学許可を得て既に香港を離れているという。
周氏は現在、「国家安全保障を危険にさらす外国勢力と結託」した疑いで取り調べを受けている。
「私はおそらく今後一生、香港に戻らない」と、周氏はソーシャルメディアに投稿した。
「香港の状況や私の身の安全、私の心身の健康」を考慮した上での決断だとしている。
香港警察は、周氏の投稿についてコメントしていない。
パスポート取り戻すため「愛国教育」
周氏は27歳の誕生日を迎えた3日、今年初めにカナダ・トロントの大学から入学許可を得ていたことを明らかにした。
しかし、渡航に必要なパスポートを取り戻すために、8月に警官5人と共に中国大陸へ行かなくてはならなかったという。
「ずっと監視されているように感じた」と、周氏は書いた。
中国大陸では、1970年代後半からの改革開放以降の中国の功績を紹介する展示会や、テクノロジー企業の騰訊(テンセント)本社に案内され、ポーズをとって写真を撮影するよう求められたという。
「もし私が沈黙し続けたら、これらの写真はいつの日か、私の『愛国心』の証拠になっていたかもしれない」として、周氏は懸念を示した。
中国大陸から香港に戻った際には、自身の過去の政治的行為に対する反省を表明し、「祖国の素晴らしい発展」を知ることができるように中国大陸への旅を計画した警察に感謝する内容の文書に署名するよう指示されたという。
周氏は、香港メディア界の大物で民主化活動家の黎智英(ジミー・ライ)氏が中国の国家安全保障を脅かす「外国勢力と結託」した罪で起訴されたことに関連し、現在も捜査対象になっている。今月末には再び出頭することになっていた。
この件で、周氏はまだ起訴されていない。
周氏は香港の民主化運動で最も著名な活動家の1人で、家族と国を守るために戦ったとされる中国の伝説的ヒロインにちなみ、「真のムーラン」とも呼ばれていた。
2020年にはBBC「100 Women(100人の女性)」に選ばれた。BBCは毎年、社会に大きな影響を与え、人々の心を動かした女性100人を世界各地から選んでいる。
香港当局は2019年に反政府運動が始まって以降、香港の民主活動家を取り締まって来た。2020年6月には香港での反政府的な動きを取り締まる中国の「香港国家安全維持法」が施行された。








