ウクライナ当局、子供1000人の強制避難を開始 ロシアの攻撃激化で

A view of damaged buildings after shellings in the frontline city of Avdiivka

画像提供, Getty Images

画像説明, 前線に近いアウディイウカでは爆撃で建物に被害が出ている

ウクライナ当局は、ロシアによる攻撃の激化を受け、前線に近い地域の子供たち約1000人の強制避難を開始した。

避難の対象となっている地域は、南部ヘルソン州と東部ドネツク州の計31集落。家族に対し、安全な場所に移るよう指示が出された。

18歳未満は、必ず親か保護者と共に移動する必要がある。

北東部ハルキウ州当局でも、10集落で子供計275人を避難させる準備が進められている。

ウクライナは、戦闘が激化する前にこうした避難命令を出していた。当局は、多くの子供たちが爆撃が続く中で暮らしており、家にとどまるのはあまりにも危ないとしている。

当局は警察と共に各戸のドアをたたき、子供と一緒に避難するよう呼びかけているという。警察には、避難を強制できる権限がある。

ウクライナ政府は対象とされた家族らに対し、国内のより安全な地域への安全な経路を約束している。避難先では、無料の宿泊施設や、学校や幼稚園に入る枠も提供している。

ヘルソン州当局の広報を務めるオレクサンドル・トロコニコウ氏は、敵の攻撃がすぐ近くで続く場所で暮らし、危険や困難が増していても、家を離れることに消極的な家族もいると話した。

「さまざまなケースがある。たとえば家族が家に立てこもっている場合。もちろん警察はドアを破らない。その人たちと話をする。爆弾が当たった時にどうなるのか、殺され、けがを負わされた子供たちの映像を見せる。これはより心理的な仕事だ」

A damaged house in Donetsk region

画像提供, EPA/EFE

画像説明, 当局と警察は前線近くの家を一軒ずつまわり、避難を指示している

家族を避難させる困難で危険な作業には、救急隊員やボランティアが携わる。

ドネツク州では、「ホワイト・エンジェルズ」と呼ばれる特別警察部隊が、人々の安全を担っている。

ウクライナのイリーナ・ヴェレシチュク副首相は、避難チームは命の危険を冒しながら、「避難の警告を受けたら、すぐに必要なものや書類をまとめて出発してください」と家族に準備を促していると語った。

一方で、ヘルソン当局では子供たちを安全な場所に運ぶための装甲車が不足していることを認めた。対象となる地域には子供約800人が住んでいると推定されおり、国際機関に支援を要請しているとヴェレシュチュク氏は述べた。

ウクライナは、ロシア部隊がここ数日、東部前線沿いのいくつかの地域で大規模な攻撃を開始したほか、南部でも砲撃を激化させているとしている。

冬が近づく中、ロシア政府が主要インフラへの攻撃を計画しているとの懸念も出ている。