ウクライナ東部の要衝アウディイウカで激戦 ロシアが包囲狙う

アブドゥジャリル・アブドゥラスロヴ、BBCニュース(キーウ)

Ukraine's President Zelensky has shared pictures showing soldiers in Avdiivka

画像提供, Oleg Palchyk

画像説明, ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はアウディイウカの兵士の写真を公開した

ロシア軍が、ウクライナ東部の町アウディイウカに大規模な攻撃を仕掛けている。3大隊を投入し、約2000人の兵士と装甲車数十台、そして一部報告では戦闘機も加えて、この地域で最大の攻撃を行っているという。

ウクライナの参謀本部によると、10日以降、アウディイウカとその周辺で数十回の攻撃をはね返しているという。

第59旅団に所属するセルヒイ・チェコウスキー氏はBBCの取材に対し、「ロシアは広範囲で攻撃を展開している」と語った。

「侵攻開始以来、(アウディイウカ周辺で)このような集中攻撃に対処したのは初めてだ。ロシアは複数のロケットランチャーや迫撃砲、戦車、歩兵隊を使っている。全て一度にだ」

アウディイウカは、ウクライナ東部の中心都市ドネツクへの玄関口と呼ばれている。

ドネツクは2014年以降、ロシア軍と親ロ派の部隊に占領されているが、前線に近すぎるため、この街を主要な軍事通信ハブとして使うことができていない。アウディイウカを掌握することで、占領軍は前線を後退させることができるという。

アウディイウカの重要性は、その戦略的役割だけではない。この街は、ロシアが9年前にクリミアを不当に併合し、ウクライナ東部での紛争が始まって以来、ずっと最前線にある。

その結果、ウクライナの抵抗と粘り強さの象徴ともなっている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はアウディイウカの写真をソーシャルメディアに投稿し、「我々は領土を維持している。この戦争がどう終わるかは、ウクライナ国民の勇気と団結にかかっている」と述べた。

アウディイウカの軍事拠点と居住区は、ここ3日間、容赦なく砲撃されている。

Another image from President Zelensky's social media feed showed rubble in a playground in Avdiivka

画像提供, Oleg Palchyk

画像説明, ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が公開したアウディイウカの写真

「平均して、町を狙った迫撃砲やロケット弾による激しい砲撃が50~60回あった」と、アウディイウカ軍事本部トップのヴィタリイ・バラバシュ氏は語った。「軍事拠点だと1日に少なくとも500~600回攻撃されている」。

集合住宅やオフィスビル、病院などが損害を受けているという。

「攻撃は止まらない。きのうは日中に20回の空爆があった。夜にはKAB-500爆弾が街に落とされた」

BBCはこの発言内容について確認が取れていない。

アウディイウカにはなお1600人の住民が残っている。その大半がずいぶん前に地下にもぐったが、それでも常に良い防御が得られているわけではない。

バラバシュ氏によると、最近の攻撃によって1人が殺され、少なくとも2人ががれきの下敷きになって死んだとみられるという。

ロシアの前進は、アウディイウカの北にあるベルディチェ村とステポヴェ村、そして南にあるトーネンケ村とセヴェルネ村の占領を目的としているようだ。

2023年10月6日時点のウクライナ戦況

ロシア政府は、自軍がアウディイウカ近郊で「陣地を改善した」と主張している。ロシアの軍事ブロガーも、ロシア軍がウクライナ軍の戦略的陣地をいくつか占領し、すでにステポヴェ村に入ったと報告している。

ウクライナ軍はこうした報告を否定しているが、激戦の中でロシア軍が北方と南方から進み、アウディイウカを包囲しようとしていることがうかがえる。

アウディイウカは2014年以来、守備がかなり増強されており、ロシアの侵入は難しくなっている。そのため、ロシアはウクライナの領地からこの街を切り離し、包囲しようとしている。

ロシアは、ウクライナ東部の前線の他の部分に沿って大規模な攻撃を開始。ハルキウ州のクピャンスクとドネツク州のリマン方面に押し寄せている。

米戦争研究所のアナリストらは、アウディイウカやドンバスの他の地域での作戦は、ウクライナ軍がゆっくりとだが前進している西のザポリッジャ州に特に、「ウクライナ軍が再配備されるのを防ぐため」のものだとみている。