エプスティーン元被告の詳しい検視報告、最新の公表資料に含まれる

エプスティーン元被告の逮捕時の顔写真と、司法省が公開したメールの印字された写真が組み合わされているイメージ画像
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シャヤン・サルダリザデ、マット・マーフィー BBCヴェリファイ(検証チーム)

(※注意:この記事にはショッキングな具体的描写が含まれます)

アメリカの司法省が1月末に新しく公開した資料の中に、性犯罪で有罪とされた富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)の遺体などの生々しい写真20点が含まれていた。

エプスティーン元被告がストレッチャーに載せられ、医療スタッフが処置を行っている様子などの写真で、その多くはあまりにも生々しいため掲載することができない。司法省は1月30日、エプスティーン元被告の捜査資料を追加公開する一環として、元被告が2019年9月に拘置所で死亡した事態について、すでに機密解除された連邦捜査局(FBI)の報告書、死体検案書、拘置所の内部文書を公表した。写真20点はその資料の一部。

エプスティーン元被告は2019年8月10日、性的人身売買および共謀の罪で起訴され、裁判を控える中、ニューヨーク市内にあるメトロポリタン拘置所の居房で死亡しているのが発見された。

今回公開されたFBIの報告書は「ジェフリー・エプスティーン死亡捜査」と題され、FBIニューヨーク支局による捜査内容とみられる。全23ページの文書には、各ページに「機密解除済み」の印が押されている。

資料は黒塗りされていない。BBCヴェリファイが確認したところ、エプスティーン元被告の首元を接写した写真が含まれ、そこには明確な傷跡が写っている。ほかに、詳しい検視内容や、自殺前の数日間の精神状態に関する心理レポートも含まれている。

複数の写真には、ストレッチャーに横たわるエプスティーン元被告に、医療スタッフが心肺蘇生を試みる様子が写っている。写真の日付は2019年8月10日。時間は、呼びかけに反応しない状態で独房で発見された時刻から約16分後の午前6時49分と記載されている。撮影場所は不明だが、被告は午前6時39分に近くの病院へ搬送され、そこで死亡が確認された。そのため、写真は病院で撮られた可能性がある。

ほかの3枚の写真には、病院で撮影されたことを示す記載があり、彼の頭部のクローズアップと首の損傷が写っている。各写真にはエプスティーン元被告の名前が記されているが、一部ではファーストネームが「Jeffrey」ではなく、「Jeffery」と誤記されていた。

黒い背景にFBIの印とエプスティーン元被告の顔写真が並ぶ

画像提供, Department of Justice

画像説明, FBI報告書の冒頭のスクリーンショット。「ジェフリー・エプスティーン死亡捜査 ニューヨーク支局」「機密解除」などと書かれている

今回公開されたエプスティーン元被告の遺体写真について、BBCヴェリファイが画像検索を行ったところ、今年1月30日より前にインターネット上で公開されていた形跡は確認できなかった。また、司法省とニューヨーク市検視局(OCME)による89ページの死体検案書や、FBIニューヨーク支局が送付した同じ画像を含むメールなど、裏付けとなる資料も確認できた。

公開資料にはOCMEによる死体検案書の一部も含まれており、その中には、エプスティーン元被告の首の甲状軟骨が2カ所で骨折している様子のスキャン画像がある。

2枚の写真が並べられている。左は、黒い制服にニューヨークの救急隊の略号が書かれた救命士たちが、白いゴム手袋をして、担架の上の人物に心臓マッサージなどを施している。担架の上の人にはぼかしがかかっている。右は、白い台の上に置かれた腕の手首に、「Epstein, Jeffrey」と書かれた名札が巻かれている写真。手のひらに赤いあざが見える

画像提供, 米司法省

画像説明, 司法省が新しく公開した資料に含まれていた写真。複数の救急救命士が、担架に横たわるエプスティーン元被告に心肺蘇生処置を施す様子(左)と、手首に巻かれた名札の写真

FBIの報告書では、エプスティーン元被告が2019年7月6日に連邦法違反の性的人身売買容疑で逮捕されてから、ニューヨークのメトロポリタン拘置所で死亡するまでの間の、拘束の状況をまとめた時系列も、6ページにわたり記載されている。

それによると、元被告は7月23日に自殺しようとしており、それ以降は自殺防止のための監視下に置かれた。元被告は当時、同じ居房にいた元警官のニコラス・タルタリオーネ被告(殺人罪で起訴)が自分を殺そうとしたのだと主張していた。

自殺未遂の翌日に心理士と面会した際、「自殺するつもりはない」、命を絶つなど「くるっている」と述べたと記録されている。心理士の記録によると7月25日には、「自分の裁判にあまりにたくさんのものがかかっている。自分には生活があり、生きて人生を取り戻したい」と話していたとされる。

司法省が公開した別の文書には、拘置所長が、エプスティーン元被告を単独で収容すべきではないと助言し、居房を「30分ごとに見回る」ことや、「抜き打ち巡回」を行う必要性を強調していたことが記されている。

動画説明, エプスティーン元被告の「欠けていた1分」映像とは 米議会が公開(2025年9月)

エプスティーン元被告と同じ居房に収容されていた者は、元被告が死亡する前日に釈放された。拘置所文書によると、8月10日午前3時と5時に予定されていた巡回を警備員が実施しなかった。監視カメラシステムも故障していた。同日朝の巡回で遺体が発見された。

同じFBI報告書が黒塗りされたバージョンも公開されており、こちらは全17ページしかない。そこには心理士の報告書や拘束中の時系列が含まれず、複数の画像が黒塗りされている。なぜ両方のバージョンが公開されているのかは不明だ。

司法省にはコメントを求めている。FBIはコメントを拒否した。

(追加取材:ジョシュ・チーザム)