ウクライナ、米供与の長距離ミサイルを初めて使用=ゼレンスキー大統領

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日、アメリカから供与された長距離ミサイルを初めて使用したと発表した。
これに先駆けた報道では、長距離射程の地対地ミサイル「ATACMS(陸軍戦術ミサイル・システム)」がウクライナ東部のロシア基地にあったヘリコプター9機を破壊したと伝えられていた。ウクライナはミサイルの使用を認めていなかった。
ウクライナ軍は、17日午前4時にベルディヤンスクに、午前11時にルハンスクに、それぞれ攻撃を行ったと発表。ロシアの防衛システムなどの設備を標的にし、破壊したとしている。
ベルディヤンスクは近くの前線から約85キロメートル離れているが、マリウポリとクリミアの間にある戦略的に重要な地域だ。ルハンスクは、前線から約100キロ離れている。
報道はまた、この作戦でロシア兵十数人が死傷したと付け加えた。
ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアの投稿で、「ATACMSはとても正確に動いた。その能力を示した」と述べた。しかし、使われた時期や場所などの詳細は明かさなかった。
ロシア軍はこの件について声明を発表していない。
ジョー・バイデン米政権はこれまで、ウクライナへのATACMS供与を拒んできた。しかし米CNNは政府関係者の話として、「ここ数週間」で密かに供与を決めたと報じた。
CNNによると、アメリカはロシアが機材や兵器を射程外に移動しないよう、秘密裏に供与を進めたかったのだという。
一方で、ロシアとの緊張関係を懸念し、ウクライナに提供されたミサイルの射程は、システムの最大射程よりも短いものになったと、AP通信は伝えている。
AP通信によると、ウクライナに供与されたミサイルシステムにはクラスター弾を搭載できる。
クラスター弾は、多くの小型爆弾を内包してまき散らす。民間人にも脅威だとして、100カ国以上が使用を禁止するなど論争の対象となっている。
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ザポリッジャ州の占領地域にロシアから派遣されているウラジーミル・ロゴフ知事は、防空システムがベルディヤンスク上空で「敵のロケット弾の撃墜に成功した」と発言。死傷者が出たという情報については、調査中であり、追って報告するとしている。
親ロシアのSNSアカウントが投稿した、ベルディヤンスクで撮影されたとされる未確認の動画には、爆発やロケット弾が飛ぶ様子が映っている。また、弾薬の集積場に当たったと説明する声も入っていた。
別のロシア系ブロガーは、ATACMSによる飛行場攻撃について書いている。このブロガーは攻撃を「深刻な打撃」と表現し、人命と技術が失われたと述べている。
ATACMSは、アメリカが9月に発表したウクライナへの軍事援助リストには含まれていない。
しかし、17日にソーシャルメディアに投稿された未検証の写真は、ロシアの基地がATACMSの初期型地対地ミサイル「MGM-140A」を使用して攻撃されたことを示唆している。射程距離は160キロと、ATACMSの中では短い。
側面に刻印された契約番号は、1997年までに完了する予定だったミサイルの契約を示している。
ウクライナはATACMSシステムを手に入れたことで、ロシア領内を深く攻撃する能力が大幅に高まった。

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ウクライナの前線ではなお、衝突が続いている。特にウクライナが維持しているアウディイウカやクピヤンスク、リマンなどは、ここ数日ロシア軍による激しい爆撃に見舞われている。
ウクライナの緊急サービスは、東部スロヴィヤンスクで宿泊施設が爆撃されたと報告。少なくとも2人ががれきの下に閉じ込められているという。
南部オデーサの当局は、撃墜されたロシアのドローンの破片が、ヨットクラブや複数のヨットに損害を与えたと発表した。犠牲者は出ていないとう。
ウクライナは、ロシアに占領されている東部と南部の領土を奪還するために大規模な反転攻勢を行っているが、その進みは遅い。
また、ロシアの戦力を弱体化させる目的で、ロシアの陣地への空爆も頻繁に行っている。
一方のロシアはアウディイウカやクピヤンスクなどでウクライナ陣地を攻撃しているが、ウクライナの報告によると、ここ数日で多くの死傷者が出ているという。








