ヴェトナムのEVメーカー、時価総額でフォードやGM超える 米国で上場

大井真理子、ビジネス記者

The Vinfast VF6 all-electric vehicle is on display at the 2022 Los Angeles Auto Show.

画像提供, Getty Images

画像説明, ヴィンファストの電気自動車「VF6」

ヴェトナムの電気自動車(EV)メーカーのヴィンファストが15日、米ニューヨークの株式市場に上場した。株価は急上昇し、時価総額で米自動車大手フォードやゼネラル・モーターズ(GM)を超えた。

ヴィンファストの株は37ドル強で取引初日を終えた。同社はまだ利益を出していない。

これにより、ヴィンファストの時価総額は850億ドル(約12兆3600億円)となった。フォード(480億ドル)、GM(460億ドル)をはるかに超えた。

自動車業界では急成長中のEV市場をめぐり、大手と新興メーカーがシェア争いを繰り広げている。

ヴィンファストの創業者で、すでにヴェトナムで最も裕福な人物だったファム・ニャット・ヴオン会長は、今回の上場で純資産が約390億ドル増えた。

規制当局に提出された書類によると、ヴァンファストの発行済み株式の99%を同会長が保有している。

そのため、他の投資家は限られた数の株式しか取引できず、価格が大きく変動する可能性がある。この日の取引も比較的薄く、売買代金は約1億8500万ドルだった。

中国・上海のコンサルティング会社オートモビリティの創業者兼最高経営責任者(CEO)のビル・ルッソ氏は、「投資家たちは、未来は電気自動車にあり、低コストの東アジアの国がアメリカの競争相手になると考え続けている」と分析。

「地政学を考えると、その国は中国ではなくヴェトナムになると市場はみている」と話した。

ライバルとの違い

ヴィンファストについてルッソ氏は、ヴェトナム最大のコングロマリット(複合企業)であるヴィングループJSCの支援を受けており、成長実績のある企業から資金を得やすいことが強みだと述べた。

「ほとんどのEV新興企業は、収益性の高いコアを持たず、キャッシュを生み出すよりもはるかに速く資本を消費して外部からの資金が底をつくため、失敗に終わってしまう」

とはいえ、ヴィンファストが大手企業との厳しい市場争いに直面していることに変わりはない。

イーロン・マスク氏が率いる米テスラや、ベテラン投資家ウォーレン・バフェット氏が支援する中国BYDなど、市場をリードするメーカーは売上を伸ばすために値下げに出ている。

ヴィンファストの発表によれば、同社は今年上半期、EV1万1300台を納入した。これに対し、テスラは同じ期間、88万9000台以上を納入した。

「テスラはEV界の明確なリーダーであり続けるだろうが、多くの勝者が生まれるだろう」と、ウェドブッシュ証券のダン・アイヴスは話した。

「ヴィンファストはEVで成功するための強い基盤を築いている」