米テスラ、260万円台EV車を「3年以内に」製造 マスクCEO表明

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米電気自動車(EV)メーカー「テスラ」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は22日、完全な自律走行性能を持つ2万5000ドル(約260万円)のEVを「約3年以内」に製造する構想を発表した。
マスク氏はこの日、テスラの技術を披露するイベント「バッテリーデー」で、テスラ「モデル3」の車内シートに座った株主240人の前で語った。
「手ごろな価格の電気自動車をつくることが、我々の長年の夢だった」
主な発表内容は、より大型の新たな円柱形電池に関するものだった。この新電池は既存のものと比べ、エネルギー量は5倍、パワーは6倍、走行距離は16%増えるという。
しかし、こうした技術の実用化には数年かかる可能性が高い。

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低価格の自動運転車
低価格のテスラの要となるのは、電池の効率性を根本的に改善する、同社の電池設計の革新だ。
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校の教授で全米技術アカデミーのメンバー、スタンリー・ウィッティンガム氏はBBCに対し、「全てのチャンスに取り組むのはハイリスクだが、高い利益を生むことにもなる」と述べた。
ウィッティンガム氏は2019年、日本の旭化成名誉フェローで名城大学教授の吉野彰氏らと共に、リチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞している。
「私たちの多くは同じ手順が必要だとしてきたが、テスラにはそれを実現するための投資力や意志がある。同じことに挑戦したいと思っている人は、ほかにはいないのではないか」
マスク氏は、日本のパナソニックや韓国のLG化学から電池を購入するほか、独自製造も開始する方針も発表した。
昨年4月、マスク氏は「モデル3」に使用されているパナソニック製電池について、調達面で問題があると明かしていた。
「コスト削減は限定的」
リチウムイオン電池に関する英調査会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスの価格評価部門トップのキャスパー・ロールズ氏は、規模の拡大は「挑戦的」なものになるだろうとBBCに述べた。
「本当に経験豊富な自動車メーカーでさえ、最初の数年間は廃棄率が非常に高くなる傾向にある」
ロールズ氏はまた、電池に含まれるものの大半が高価な金属のため、「ある程度までしかコストは下げられない」と警告した。

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完全自動運転は「名ばかり」
マスク氏の発言をめぐっては、技術的進歩に関して一部が誇張されているとの批判が上がっている。それでも、4四半期連続で黒字となったテスラの株価は急騰し、現在の時価総額は世界中の自動車メーカーの中でトップだ。
今月初めには、消費者団体「Consumer Reports」がテスラの自動運転サービスを痛烈に批判する報告書を公表した。同団体は「現時点で、テスラの完全自動運転機能は(中略)名ばかりだ」と結論付けた。
マスク氏は7月、完全に自律走行できる車両を年末までに製造できるだろうと発言。業界関係者から懐疑的な声が上がった。
しかしマスク氏は、完全なオートパイロット(自動操縦)ソフトの「ベータ版」が「1カ月かそこらで」利用可能になるだろうと発表した。
同氏は派手で、時に一風変わった発表をすることが多い。先月30日には、脳にチップを埋め込み、コンピューターと連動させる技術を発表。オンラインで行われた会見では、ガートルードと名付けられたブタでの実験の成果が披露された。









