クリミアのケルチ橋に複数のミサイル攻撃=ロシア

The Crimea bridge pictured in July

画像提供, Reuters

画像説明, 今年7月のケルチ大橋

ロシア国防省は12日、ロシアがウクライナから併合したクリミアと、ロシア本土を結ぶ主要交通路のケルチ大橋が、ウクライナのミサイル2発に攻撃されたと発表した。

ロシア国防省は、ウクライナが同日午後1時ごろ、S-200ミサイル2機をケルチ橋へ向けて発射したものの、どちらも迎撃したため、橋に損傷はなかったとしている。S-200は冷戦時代にソヴィエト連邦で開発された誘導型長距離高高度防空ミサイルシステムで、ウクライナが地上戦用に改良したものとみられる。

ソーシャルメディアに投稿された動画では、ケルチ橋の近くで煙が上っている様子が見える。

ウクライナはこの件についてコメントしていない。

ロシア外務省は、「このような野蛮な行為には必ず対応する」と述べた。

ロシアがクリミア知事に任命したセルゲイ・アクショノフ氏は、ケルチ海峡で3発目のミサイルが撃墜されたと述べた。

アクショノフ知事の顧問は、橋の通行は一時停止されたと明らかにした。立ち上った煙は、軍による意図的な「煙幕」だと話した。

これに先立ちロシアは同日、クリミア近くでウクライナのドローン(無人機)20機を撃墜したとしていた。

Kerch
Presentational white space

ウクライナは今回のケルチ橋攻撃や使用兵器について認めていないが、ウクライナが奪還を目指すクリミアをはじめウクライナ南部と、ロシア本土を結ぶ重要な輸送路なだけに、昨年から繰り返しケルチ橋を攻撃している。

ウクライナのニュースサイト「ユーロマイダン・プレス」は7月、改良型S-200ミサイルがケルチ橋のほか、ロシアのロストフ州とブリヤンスク州の軍事拠点を攻撃するために使用されたと伝えた。

7月12日には橋で起きた爆発で2人が死亡し、1人が負傷した。

ウクライナは当時、攻撃したことを認めなかったが、BBCロシア語が取材したウクライナ治安当局の関係者は、攻撃は自分たちによるもので、水上ドローン(無人機)を使ったと話した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7月21日、ケルチ大橋は正当な軍事標的だと主張した。ゼレンスキー氏は米コロラド州アスペンで開かれた安全保障関連会議でオンライン演説し、「この戦争の弾薬を届けるのに毎日使われる」大橋を「無効」にする必要があると述べ、ウクライナ政府は大橋を「敵の施設」とみなしていると話していた。

昨年10月に起きた橋の爆発については、当事者はまだ判明していない。当時の監視カメラ映像には、上向きに傾斜する橋の路面を複数の車両が通行する間に、その後ろの片側で巨大な火の玉が発生する様子が映っていた。この爆発の影響でケルチ橋は部分的に閉鎖され、今年2月に全面通行が再開した。

ウクライナ軍は、ロシアが2014年に併合したクリミアをはじめ、2022年2月からの侵攻で制圧した東部や南部の地域を奪還しようと、春から反転攻勢を続けている。夏に入り、ケルチ橋周辺での軍事行動が歴然として頻度を増した。

ゼレンスキー大統領は6月下旬の時点で、反攻の進展が「望んだより遅い」とBBCに対して認めていた。ロシア軍が20万平方キロメートルのウクライナ領土に地雷を仕掛けて守りを固めているため、進軍は容易ではないと、ゼレンスキー氏は話していた。

ロシア政府は、首都モスクワのクレムリン(大統領府)政府省庁の入る高層ビル群への相次ぐドローン攻撃も、ウクライナによるものと非難している。

モスクワへのドローン攻撃についてウクライナは自分たちによるものと認めていないものの、最初の高層ビル攻撃をロシアが発表すると、ゼレンスキー大統領は「戦争は徐々にロシア領に戻りつつある。ロシアにとって象徴的な中心地や軍の基地へ。これは不可避で自然で、まったく公平なプロセスだ」と発言している。

他方、ロシアはウクライナの民間施設への攻撃を続けている。ウクライナによると、今月5日には北東部ハルキウ州の輸血センターを破壊南部ザポリッジャでも民間インフラの攻撃が続いているという。