ウクライナ、水上ドローンでロシア艦を攻撃と 黒海主要港で
ジェイムズ・ウォーターハウス(キーウ)、キャスリン・アームストロング(ロンドン)、BBCニュース
ウクライナ当局は4日、ロシアの黒海主要港を水上ドローン(無人機)で攻撃し、ロシア海軍艦を破損させたと発表した。
ウクライナ側によると、攻撃は黒海に面するノヴォロシースク港の近くで行った。同港はロシアにとって輸出拠点のひとつ。
ロシア国防省は、ウクライナが水上ドローン2機で海軍基地を攻撃したと明らかにしたが、被害が出たことは認めなかった。
これに対してウクライナ当局は、ドローンはロシア海軍の揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」を直撃し、船体に穴があくなどの被害を与えたとしている。
ウクライナ保安庁はBBCに対して、水上ドローンは450キロ分のダイナマイトを搭載していたと明らかにした。
ウクライナ保安庁の消息筋がBBCに提供した動画には、「オレネゴルスキー・ゴルニャク」と思われる艦艇にドローンが接近するところとみられる様子が映っている。海上を移動する物体が艦艇に接近し、衝突と思われる瞬間に映像が途切れる。
別の動画では、艦が傾いている姿と思われる様子が映っている。


「オレネゴルスキー・ゴルニャク」は揚陸艦で、港湾施設がなくても人員や物資を直接、上陸させることができる。積み荷を港湾に素早く陸揚げするためにも使われる。
同艦が破損すれば、ウクライナ南部で戦うロシア部隊の補給に影響が出る可能性があるが、艦隊そのものへの影響は大きくないとみられている。
ノヴォロシースク港でタンカーに石油を積み出すカスピアン・パイプライン・コンソーシアムによると、今回の攻撃を受けてノヴォロシースク港では船舶の移動を一時的に停止した。
ノヴォロシースク港からは1日180万バレルの石油が積み出されている。これは、世界供給量の2%に相当する。同港は重要な軍港でもある。
BBCヴェリファイ(検証)チームによると、ウクライナはこれまでに水上ドローンによる攻撃を少なくとも11回は実施している。標的は軍艦やセヴァストーポリ軍港、ノヴォロシースク港など。これはロシアとウクライナ両国の当局発表や現地報道をもとにした推計だ。ウクライナ国防筋は米CNNに対して、7月のケルチ大橋爆発もウクライナの水上ドローンによるものと認める発言をしている。
ウクライナ側はロシア領内深くへのドローン攻撃は実施をめったに認めないものの、沿岸部への攻撃はそれよりは認めやすい様子。
ミハイロ・ポドリャク大統領顧問はBBCに対して、ノヴォロシースク港への4日の攻撃は、「ロシアの海上の影響力、黒海での軍事的影響力を後退させる作戦を、効果的に実施できる」のだと示すものだと話した。


ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2日、各国に派遣している大使たちを集めて、ウクライナが提示する「平和の方程式」に基づく和平協議が「早ければ秋にも」開始できる可能性を示したが、7月末には「戦争がロシアへ戻りつつある」とロシア国民に警告している。
ウクライナの穀類を黒海から輸出するための国際協定を、ロシアが7月18日に失効させて以来、ロシアはオデーサやチョルノモルスクの主要港、さらにはドナウ川の港を複数攻撃している。ウクライナ当局は7月19日、南部の港湾都市オデーサでロシア軍のミサイル攻撃があり、貯蔵インフラが被害を受け、約6万トンの穀物が失われたと発表した。
黒海の代わりにドナウ川から農産物を輸出する措置が取られているが、ロシアはドナウ川沿いの港を相次ぎ攻撃。ドナウ川の対岸には北大西洋条約機構(NATO)加盟国のルーマニアがある。
これとは別にロシアは4日、クリミア上空でウクライナのドローン10機を撃墜したと発表した。



(追加取材:BBCヴェリファイ、BBCロシア語)










