中国、空母も参加し台湾を「封鎖」 軍事演習の最終日
ケリー・アン、BBCニュース

画像提供, Reuters
中国は10日、台湾周辺で3日間にわたって実施していた軍事訓練を終了した。空母も参加しての台湾「封鎖」や、目標に対する精密攻撃のシミュレーションなどを行った。
台湾はこの日、台湾島の東で戦闘機を確認したと発表。一方、中国は空母「山東」が参加したとした。
中国は8日に軍事演習を開始。台湾の蔡英文総統がアメリカのケヴィン・マカーシー下院議長と米カリフォルニアで会談したことを受けたものとされる。
台湾国防部(国防省)は中国の演習終了後、台湾として臨戦態勢の強化をやめることはないと述べた。
今回の演習は、昨年8月のナンシー・ペロシ下院議長(当時)の訪台直後に実施された演習よりは規模が小さい。
台湾は自らを主権国家とみなしている。一方、中国は台湾を、最終的には中国政府の管理下に置かれる分離独立した省とみなしている。中国の習近平国家主席は、台湾との「統一」は「必ず果たさなくてはならない」としており、必要であれば武力行使も辞さないとしている。
演習終了を発表
中国は10日、演習を予定どおり終えたと発表した。台湾国防部は同日、台湾周辺で中国の軍艦12隻と軍用機91機を確認したとした。
台湾国防部は、「(中国の)東部戦区司令部は演習の終了を発表したが、(台湾の)軍が臨戦態勢を強化する努力を減らすことはない」との声明を出した。
米高官はロイター通信に、台湾海峡における中国の行動を注視しており、中国の軍事演習はこの地域の平和と安定を損なっていると述べた。
アメリカは10日、誘導ミサイル駆逐艦「ミリウス」を、台湾の南約1300キロの南シナ海の、領有権が争われている海域に派遣した。
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台湾国防部が公表した中国軍機の飛行経路の地図には、台湾の東に4機のJ-15戦闘機が記されていた。これは、中国軍が初めて、中国大陸のある西からではなく、東からの攻撃をシミュレートしていることを示している。
アナリストらはこれらの戦闘機について、中国が保有する2隻の空母の一つの「山東」から飛来した可能性が高いとした。山東は現在、台湾から約320キロ離れた西太平洋海域に配備されている。
中国軍は10日に声明を発表し、山東がこの日の演習に「参加した」と認めた。実弾を搭載した戦闘機が「重要目標に対する複数の波状攻撃をシミュレーションした」と説明した。
日本の防衛省は同日、山東で7~9日に、戦闘機とヘリコプターの発着が計120回行われたと発表した。
ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官はテレグラムの音声投稿で、中国は「挑発行動」に「応答する権利」を持っていると述べた。


中国は南シナ海に派遣された米駆逐艦ミリウスについて、中国の海域に「不法侵入」したと主張した。アメリカは、国際法に合致した作戦だとした。
アメリカは台湾総統と米下院議長の会談後、繰り返し中国に自制を求めてきた。一方、中国は両者の会談前から、もし会談すればアメリカと台湾に対して「断固とした対抗措置」を取ると警告していた。
中国は今回の軍事演習について、訪中していたフランスのエマニュエル・マクロン大統領や欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長ら国外のリーダーが帰国した後に発表した。
マクロン氏は中国を出発する際、台湾をめぐる米中の対立について、「私たちのものではない危機に巻き込まれる」リスクがあるとし、ヨーロッパは「戦略的自立」を大事にすべきだと呼びかけた。この発言には批判の声も出ている。
一部のアナリストらは、中国の軍事演習は時間がたつにつれ、影響が弱まっていく可能性があると指摘している。
カーネギー・チャイナの非常勤研究員イアン・チョン氏は、「同程度の恐怖感を維持するには(中国は)毎回、軍事演習をどんどん大きくしていかなければならないだろう。しばらくするとそれが日常化してしまうからだ」と話した。









