習主席、台湾統一を「果たさなくてはならない」 一国二制度の適用にも言及

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中国の習近平国家主席は9日、辛亥革命110周年記念大会で演説し、台湾「統一」を「果たさなくてはならない」と述べた。
習氏は統一は平和的に達成されるべきだとしつつ、中国国民には分離主義に反対してきた「輝かしい伝統」があると警告した。
台湾はこれに対し、台湾の未来は台湾人の手に委ねられていると主張した。
台湾は主権国家を自認しているが、中国は台湾を分離した省とみなしている。中国は、武力による再統一の可能性を排除していない。
中国は台湾が設定した防空識別圏に記録的な数の中国軍機を4日連続で送り込むなど、中台の緊張は高まっている。台湾は10日に国慶日を迎えることから、中国が台湾の蔡英文総統に警告を発した可能性があると、一部のアナリストは分析している。
6日には、台湾の国防部(国防省)のトップが、中国との緊張関係が過去40年間で最悪の状態にあると述べていた。
しかし、9日の習氏の発言は、台湾の正式な独立に向けたいかなる試みも「粉砕する」と誓った7月の演説に比べれば、穏健なものだった。
習氏は何と
習氏は9日の演説で、「平和的な方法」での統一が「台湾の同胞を含む中華民族の全体の利益に最も合致する」と述べた。
ただ、「国家の主権と領土保全を守るという中国国民の固い決意と確固たる意志、高い能力を誰1人として過小評価すべきではない」とも付け加えた。
「祖国の完全統一という歴史的課題は必ず果たされなければならないし、必ず果たされるだろう」
習氏は、中国の一部でありつつ一定の自治が認められる香港と同じような、「一国二制度」の原則にもとづく統一を望むとしている。
しかし台湾総統府は、世論は非常に明確に一国二制度を否定しているとしている。台湾の対中政策を担う行政院大陸委員会(MAC)は別の声明で、台湾に対する「侵入や嫌がらせ、破壊行為といった挑発的な行動」を放棄するよう中国に求めた。
台湾の蘇貞昌・行政院長(首相)は、9日の習氏の演説に先立ち、中国が「威力を誇示して」緊張をあおっていると非難した。
アメリカの反応
このところ中台の緊張は高まっているが、台湾初の直接総統選挙が実施された1996年の状態ほどには悪化していない。中国は当時、台湾の総統選挙を妨害するために台湾海峡周辺でミサイル演習などを繰り広げ、アメリカが空母を派遣したことでようやく事態は収束した。
また、中国の武力誇示を多くの欧米諸国が懸念する中、ジョー・バイデン米大統領は、習氏が「台湾合意」の順守に同意したと述べた。これは、米政府が長年維持する「1つの中国」政策への言及とみられる。アメリカは同政策のもと、台湾ではなく中国を承認している。
ただ、この合意では、アメリカが台湾と「頑強な非公式の」関係を保つことが可能になっている。アメリカは「台湾関係法」に基づき、台湾に武器を販売している。同法は、アメリカが台湾の自衛を支援しなくてはならないとしている。
アメリカのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日、アメリカは台湾海峡の「平和と安定を損なう」可能性のあるあらゆる行動に対して「立ち上がって声を上げる」つもりだと、BBCのインタビューで語った。






