ロシアが極超音速ミサイル使用、ウクライナ各地に大規模攻撃

首都キーウでロシアのミサイル攻撃を受けた現場に駆け付けた救急隊(2023年3月9日撮影)

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画像説明, 首都キーウでロシアのミサイル攻撃を受けた現場に駆け付けた救急隊(2023年3月9日撮影)

ウクライナ各地で大規模なミサイル攻撃が続いており、9日には少なくとも9人が亡くなった。ロシアは、極超音速ミサイルを含む強力な兵器を使用しているという。

ロシアは侵攻開始直後の数カ月以降、防空システムを回避できる極超音速ミサイル「キンジャール」を使っていなかったと報じられていた。

ウクライナは現在、ここ数週間で最も激しい攻撃を受けている。この日には、欧州最大のザポリッジャ原子力発電所で電力供給が失われたが、その後、復旧している。

ロシア国防省のイーゴリ・コナシェンコフ報道官は9日、「極超音速ミサイルシステム『キンジャール』を含む対陸海空・高精度長距離兵器が、ウクライナの軍事インフラの重要な部分を直撃した」と説明した。

これほどの規模のミサイル攻撃は、全国で計11人が死亡した1月26日以来

ウクライナ軍は、34発の巡航ミサイルと4機のイラン製ドローンを撃墜したと発表。一方で、キンジャール6発や、古いタイプの空対艦ミサイル「Kh-22」、地対空ミサイル「S-300」などを破壊できなかったと述べた。

ロイター通信はウクライナ空軍の報道官の話として、「様々なタイプのミサイルが使われた大規模攻撃は初めてだ。今までになかったことだ」と伝えた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はかねて、弾道極超音速ミサイルへの投資を強調してきた。このミサイルは、音速の5倍以上の速さで飛行する。

ロシアが使用したという極超音速ミサイル「キンジャール」の画像と説明

ザポリッジャ原発への攻撃を批判

原子力事業者エネルゴアトムは、ザポリッジャ原発への攻撃で、同原発とウクライナの電力システムとのつながりが切断されたと述べた。

同原発が攻撃を受けたのは、ロシアに占領されて以来、6回目。原発内に保管されている放射性物質の冷却に電力が必要なため、9日午後に復旧するまではディーゼル発電機で稼働していた。

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は、「今回の外部電源の喪失は、ザポリッジャ原発電がいかに脆弱で危険な状況にあるのかを改めて示すものだった」と述べた。

また、度重なる攻撃を受け、国際社会に同原発を守るための支援を呼びかけた。

「攻撃のたびにさいころを振っている状態だ。こうしたことが何度も続けば、ある日、我々の運は尽きてしまう」

首都キーウでは西側や南側の地区で爆発があり、救急隊が駆け付けた。

オデーサ州のマクシム・マルチェンコ知事によると、港湾都市オデーサのエネルギー施設も激しいミサイル攻撃を受け、停電が発生した。住宅地も攻撃されたが、死傷者は報告されていないという。

戦闘が続く東部バフムートの状況についてウクライナ軍は、ロシアの激しい攻撃を押し戻したと説明している。ロシアは同市の東半分を制圧したと主張している。

ロシアは数カ月前からバフムートの占拠を狙っている。激しい消耗戦となっており、双方が大きな損害を出している。

ウクライナ軍参謀本部は、「敵は攻撃を続け、バフムート市への襲撃をやめる気配はない」、「私たちの防衛隊はバフムートと周辺地域への攻撃を撃退した」とした。

西側当局によると、バフムートの戦闘が始まった昨夏以降、2万~3万人のロシア兵が死傷している。この数字は独自に検証できていない。