日本の「ルフィ」連続強盗・詐欺事件、フィリピンから送還の4人を逮捕
ジョエル・グイント、BBCニュース

画像提供, Philippine Bureau of Immigration
日本の警察が今週、外国の入管施設に収容されている間に何件もの詐欺や強盗を指示したとして、4人の日本人男性を逮捕した。日本中がこの事件に注目している。
捜査当局によると、4人はフィリピンの入管施設から日本での共犯者を集め、高齢者らから計何十億円も盗んだり、だまし取ったりした疑いなどがもたれている。
4人のうちの誰かが「ルフィ」を名乗る首謀者の可能性がある。
フィリピン当局は今月7日、今村磨人容疑者と藤田聖也容疑者を日本に強制送還した。
翌8日には、渡辺優樹容疑者と小島智信容疑者も強制送還され、日本に到着した。
4人は2019年後半以降にフィリピンで詐欺に関わった疑いで、数十人の日本人とともに現地で逮捕されていた。
高額報酬で募る
4人は14都府県の50件以上の事件に関わっていた疑いがもたれている。この中には、東京で先月、90歳の女性が殺害された事件も含まれている。
日本の捜査当局は、関連があるとみられる事件が増え始めた2021年夏から、4人の行方を追っていた。
報道によると、4人はフィリピンで拘束され施設に収容されてから、犯行を計画し始めたとされる。
携帯電話を使い、ソーシャルメディアで日本での共犯者を募集。「闇バイト」として高額報酬を約束した。メッセージが暗号化されるアプリ「テレグラム」で指示を出し、連絡を取っていたという。
朝日新聞が報じた手口では、共犯者は警察や「金融管理局」などの職員を装って被害者に電話し、「口座が現金が引き出されている」などと通知。その後に被害者宅を訪れ、キャッシュカードをだまし取り、ATMから現金を引き出していたとされる。
犯行グループの主なリーダーは、テレグラムで「ルフィ」と名乗っていたとされる。日本の人気漫画「ONE PIECE」(ワンピース)の主人公、モンキー・D・ルフィから取った呼び名とみられている。
「ねじれたシナリオ」
日本やフィリピンの一部のメディアは入管施設関係者の話をもとに、渡辺容疑者が「ルフィ」だと報じている。フィリピン当局は当否を明らかにしていない。
渡辺、小島両容疑者の強制送還は、それぞれのフィリピン人パートナーから家庭内暴力の被害届けが出されていたことから延期されていた。しかし、マニラの裁判所が今週、公訴を棄却した。
フィリピンのジーザス・クリスピン・レムラ法相は、被害の訴えについて、両容疑者の強制送還を阻止し、日本の捜査を妨害するためにでっち上げられたものだと述べた。フィリピンの法律は、未決勾留中の外国人が国外に出るのを認めていない。
レムラ氏は「彼らはもう逃げられない」、「非常にねじれたシナリオだ」と記者団にコメント。フィリピン当局が携帯電話24台を容疑者らから押収し、証拠として日本の当局に送ったと付け加えた。
収容施設制度の腐敗を指摘
この事件は、フィリピンの施設に収容されていた人物が、警備をかいくぐってスマートフォンで強盗、誘拐、麻薬売買を指示できたとみられることを示している。
同国の収容施設ではこれまでにも、ジャグジー、膨らむセックスドール、覚醒剤、高性能銃、録音スタジオなどが家宅捜索で発見されている。録音スタジオでは誘拐団の首謀者がアルバムをつくり、ユーチューブにミュージックビデオを投稿していた。
レムラ法相は、刑事施設のシステムが腐敗しているとし、改善すると述べた。
また、フィリピンは日本と犯罪人引き渡し条約を結んでいないものの、国際犯罪との戦いで近隣諸国と協力していく考えを示した。
4容疑者らの送還と時を同じくして、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が8日、日本を公式訪問した。翌9日には岸田文雄首相と会談した。





