【2022年サッカーW杯】 イングランド、ベスト8で敗退 フランスに1-2で敗れる

フィル・マクナルティ・サッカー担当主任記者、アル・バイト・スタジアム、アル・ホール(カタール)

France celebrate

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画像説明, 喜ぶフランス代表の選手たち

ワールドカップ(W杯)カタール大会は10日(日本時間11日)、準々決勝があり、イングランドが前回優勝のフランスに1-2で敗れた。イングランドは2大会連続のベスト4入りは果たせなかった。

イングランドは、アル・バイト・スタジアムで見事なパフォーマンスを見せたものの、残念なことに今回のW杯の旅はここで終わりとなった。

イングランドは終盤、ハリー・ケインがペナルティーキック(PK)を失敗。これが勝敗を決した。ケインはこのPKの前に1得点を挙げ、ウェイン・ルーニー元代表が持つイングランド代表の最多得点記録53点に並んだ。

フランスは前半17分、オーレリアン・チュアメニがゴール20メートル以上手前から強烈なシュートを放った。ボールはイングランドGKジョーダン・ピックフォードの手をかすめるようにしてゴール左下に突き刺さり、先制した。

Aurelien Tchouameni

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画像説明, フランスのチュアメニ(中央左の8番)が先制ゴールを決めた

イングランドはこの試合、多くの時間でフランスを質で上回るプレーを見せ、チャンスをつくった。前半アディショナルタイム9分には、ブカヨ・サカがフランスのチュアメニにファウルを受け、PKを獲得。これをケインが力強く決め、同点とした(ケインとフランスのGKウーゴ・ロリスは、英プレミアリーグ・トッテナムのチームメイト)。

フランスは後半、アントワーヌ・グリーズマンの完璧なクロスをオリヴィエ・ジルーが頭で合わせ勝ち越し。しかしその12分後にイングランドは、途中出場のメイソン・マウントがフランスのペナルティーエリア内でテオ・エルナンデスからファウルを受け、素早く同点に追いつくチャンスを手に入れた。

このPKもキッカーはケイン。彼にとっては歴史をつくるチャンスだったが、右足で放ったボールは彼らしからぬものとなってクロスバーの上を越えた。イングランドはその後も劣勢をはね返せず、W杯の夢はここで終了。勝ったフランスは、準決勝でモロッコと対戦することになった。

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イングランドにとって酷な敗退

これまでイングランドは、主要な大会で臆病な戦いぶりで負けてきたと非難されてきた。だが、今大会のギャレス・サウスゲイト監督と選手たちには、この責めは当たらないだろう。

フランスと互角に渡り合い、イングランドが優勢だった時間も多かった。サカとデクラン・ライスは素晴らしかった。イングランドにとっては1966年以来となる決勝進出への道が見えかかっていただけに、痛ましい敗戦となった。

残念ながら、イングランドは訪れたチャンスをものにできなかった。それに、フランスGKロリスがよりによって最高の状態だった。

最も落胆しているのは主将のケインだろう。残り時間6分で、イングランド代表の歴代ゴール最多記録の樹立を目前にしながら、この日2つ目のPKを外してしまった。

この最も信頼されるPKキッカーが蹴ったボールが空中高く上がり、ゴール裏のイングランドのファンへと向かって飛ぶと、信じられないといった雰囲気にスタジアムは包まれた。

めったにない失敗だった。試合終了の笛が鳴ると、サウスゲイト監督はすぐにピッチ内へと入り、チームのために多大な貢献をしてきた選手を慰めた。

イングランドの選手たちは、ひどくショックを受けている様子だった。あれだけ良いパフォーマンスを見せていたのだから、当然と言えば当然だ。

皮肉なのは、イングランドは4年前より1ラウンド早くW杯を去ることになったが、今回の代表チームのほうがずっと期待がもてることだ。もちろん、そんなことを言っても、サウスゲイト監督と選手たちには何の慰めにもなりはしない。

グリーズマンの見事な指揮

試合前にもっぱら話題となっていたのは、イングランドがいかにフランスのスーパースター、キリアン・エムバペを止められるかだった。だが終わってみれば、準決勝進出を決めたフランスのインスピレーションは、別のところからやって来た。

その主な源となったのが、最高の出来を見せたグリーズマンだった。終始チームを操り、チュアメニのシュートにつながるパスを送った。その後も、ジルーへと完璧なクロスを入れ、彼がイングランドDFハリー・マグワイアの前でこれをヘディングして、GKピックフォードの横を抜ける強烈なシュートを放つのを演出した。

エムバペは試合を通して極めて恐ろしい存在だったが、フランス最大の脅威の抑え込みを狙ったイングランドの作戦が、大方うまく機能した。それでも、経験豊富な36歳のジルーと31歳のグリーズマンの力が組み合わさったことで、連覇を狙うフランスがまたも準決勝へと進出した。