原油価格が100ドル台に急騰、4年ぶり 米・イスラエルとイランの戦争の長期化を懸念

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ファイサル・イスラム経済編集長、ピーター・ホスキンス・ビジネス記者
原油価格は8日、、2022年以来初めて1バレル当たり100ドルを上回った。アメリカとイスラエルによるイランとの戦闘の激化によって、ホルムズ海峡を通過する輸送が長期間混乱するとの懸念が高まっている。
イラン当局は8日、殺害された最高指導者アリ・ハメネイ師の後継者として、同師の息子のモジタバ・ハメネイ師(56)を最高指導者に指名。紛争開始から1週間がたった現在でも、依然として国内強硬派が統治を担っていることが示された。
アメリカとイスラエルは週末にかけて、イラン全域をあらためて空爆し、石油貯蔵施設を含む複数の標的を攻撃した。
中東地域からのエネルギー供給が大きく混乱すれば、世界中の消費者や企業の価格を押し上げるおそれがある。
アジア市場では9日午前、ブレント原油が24%近く急騰し、一時は114.74ドルに達した。米ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の軽質スイート原油価格は26%超値上げして、114.78ドルとなった。
アジア太平洋地域の株式市場は、同日早朝の取引で急落。日経平均株価は一時4200円超下げ、午前の取引を6.98%下落の5万1740円46銭で終えた。香港のハンセン指数は3.2%、オーストラリアのASX200は4%超、それぞれ下落している。開戦以来、特に影響を受けている韓国総合株価指数(KOSPI)は午前中に7.3%下落した。

市場関係者の多くは、原油価格が今週にも1バレル当たり100ドルに達すると予測していた。
実際には、原油価格は約1分で10%跳ね上がった。その後、アジアでの取引でさらに10%上昇するまでに約15分を要した。
市場は先週の時点では、何百万バレルもの原油と液化天然ガス(LNG)が湾内に閉じ込められ、ホルムズ海峡を通過できない、あるいは通過しようとしないという悪夢のような事態について、比較的落ち着いた姿勢を示していた。
しかし週末の緊張激化と、イラン国内および湾岸地域全体でエネルギーインフラの破壊状況を示す映像が出たことから市場は急速に警戒感を強めた。
問題は、今後これがどこへ向かうのかだ。ホルムズ海峡の封鎖が3月末まで続けば、原油価格が1バレル当たり150ドルを超え、過去最高水準に達する可能性があると指摘する声もある。
ピーターソン国際経済研究所のアドナン・マザレイ氏は、湾岸諸国の一部で生産が停止していることや、この地域での紛争が長期化する兆しがあることを踏まえれば、原油価格の急騰は予想されていたと述べた。
「人々は、これがすぐには終わらないと理解し始めている」とマザレイ氏は述べ、アメリカが示した保証や目標は「ますます現実味を失っている」と語った。
また、原油価格急騰は、航空機燃料や肥料の主原材料といった石油精製品の価格をさらに押し上げる可能もある。
湾岸地域からのこれら供給は、主にアジアで消費されている。
しかしすでに、アジアの消費者がアメリカのガス価格を押し上げている兆候が見られている。当初はヨーロッパ向けだった石油タンカーの一部が、大西洋で進路を変えた例も確認されている。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、価格急騰への対応として、短期的な上昇は「イランの核の脅威を取り除くための小さな代償だ」と主張した。
クリス・ライト米エネルギー庁長官は8日、国内の放送局に対し、この戦争によってアメリカのガソリン価格が上昇するとの懸念に対し、イランのエネルギーインフラを標的にしているのはアメリカではなくイスラエルだと語った。
(追加取材:オズモンド・チア)








