米民主党のシネマ上院議員、無所属に 上院の民主党多数は変わらず

US Senator Kyrsten Sinema

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画像説明, カーステン・シネマ米上院議員は民主党を離脱し、無所属に

米民主党のカーステン・シネマ上院議員(アリゾナ州選出)は9日、民主党を離脱し、無所属議員になると発表した。

アリゾナ州の緑の党を経て、民主党から2012年に連邦下院、4年前に上院に当選したシネマ議員は、ジョー・バイデン政権の気候変動対策やインフラ整備法案など、いくつかの政策について与党・民主党の方針に造反して投票することが続き、注目されると共に、党内で批判を集めていた。

上院(定数100)は来年1月から、今年11月の中間選挙や、今月6日のジョージア州決選投票を経て、民主党と民主党と共に投票する無所属議員が51人、共和党議員が49人という議席配分になる。民主党を離脱するシネマ氏は共和党に移籍するわけではなく、今後も無所属議員としてもっぱら民主党と共に投票する方針を示している。仮にシネマ議員が民主党の方針と逆の投票をして、票が50対50で割れたとしても、上院議長を兼ねるカマラ・ハリス副大統領(民主党)の1票も加えると、民主党が多数票を確保する。このため、情勢にただちに大きな変化はないとされている。

シネマ議員は民主党離脱についてツイッターに投稿した動画で、「壊れた党派制」と戦うために無所属になると説明。「無所属の独立議員として登録し、『独立派』という肩書で働くことは、私がどういう人間かを反映するもので、アリゾナ州を反映するものだ」と述べた。

「私たちは言われた通りに並んで行動したりしない。私たちは自分の州と国のために正しいことをする」と、シネマ議員は強調した。

アリゾナ州の地元紙への寄稿では、二大政党の「硬直化した党派対立」によって「多くのアメリカ人がますます置き去りにされている」と書き、自分は「両党の上院議員たちと、誇りをもって一緒に働きたい」と述べた。

上院ではこれまで、ヴァーモント州選出のバーニー・サンダース議員とメイン州選出のアンガス・キング議員が共に無所属で、民主党と共に行動していた。

シネマ議員は、2024年の上院選で再選を目指すか明らかにしていない。離党の意向を8日に、民主党幹部のチャック・シューマー上院院内総務に伝えたという。米報道によると、ホワイトハウスにも離党の意向を伝えている。

ホワイトハウスのカリーン・ジャン=ピエール報道官は声明で、「(シネマ議員が)アリゾナ州で無所属として登録するという決定は、上院での民主党の新しい多数議席の構図を変更しないものと理解している。今後も(シネマ議員と)協力し成果を出していけるものと期待している」と述べた。

ホワイトハウスは、バイデン大統領が推進して法案成立までこぎつけた複数の政策について、シネマ議員が「カギとなるパートナー」だったと評価した。しかし、シネマ議員はさまざまな課題で民主党の方針に造反し、これが特に地元アリゾナ州で民主党関係者の怒りを買ってきた。

薬価引き下げと気候変動対策のためにバイデン政権が推進し、8月に成立した7000億ドル(約94兆円)規模の法案でも、民主党内でシネマ議員が最後まで反対を続けた。このほか、上院で一部の法案に60%の賛成票を必要とする仕組みを撤廃しようという民主党の動きにも、シネマ議員は反対した。

シューマー上院院内総務は9日、シネマ議員は民主党議員として得ていた上院の複数委員会での委員のポストを維持すると明らかにした。「カーステンは独立派だ。前からずっとそうだった」とシューマー氏は述べ、今後も協力していきたいと期待を示した。