イギリスのハンコック元保健相、次の総選挙に出馬せず 選挙区から「代議士に不適切」の声

Matt Hancock

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画像説明, ハンコック元保健相はリアリティー番組に出演して話題になった

イギリスのマット・ハンコック元保健相は7日、次の総選挙に出馬しないと発表した。地元選挙区では、ハンコック氏が自分たちの代表にふさわしくないという声が上がっていた。新型コロナウイルスのパンデミックが始まってしばらくの間、保健相としてイギリスの感染対策の中心にいたハンコック氏は、最近ではテレビの勝ち抜き型リアリティー番組に出演し、話題となっていた。

東部ウェスト・サフォーク選挙区の保守党協会は、与党・保守党のサイモン・ハート院内幹事長に手紙で、ハンコック下院議員を保守党所属として公認しないよう要請していた。

保守党は番組出演を受けて、ハンコック氏を保守党議員団から除名。このため元保健相は現在、無所属の下院議員となっている。

ウェスト・サフォーク保守党協会のテリー・ウッド会長は1日付でハート院内幹事長にあてた手紙を、7日に協会のウエブサイトで公表。それによると、協会幹部は「最近の出来事を受け、マット・ハンコック氏はこの選挙区の代表としてふさわしくない」と判断し、「この選挙区を代表する下院議員、マット・ハンコック氏をもはや信任しないと投票で決定」したため、保守党として再び同氏を公認しないよう要請した。

こうした状況でハンコック氏は、リシ・スーナク首相にあてた7日付の手紙で次の総選挙に出馬しないと発表し、「ぜひとも探検してみたい、あらゆる可能性に満ちた新世界を発見」したと説明。政治家は議会の外で「国民とつながる新しい方法」を見つける必要があるとも述べた。

ハンコック氏は2010年以来、ウェスト・サフォーク選挙区から保守党の下院議員として選出されている。ハンコック氏は2019年末の前回総選挙では、次点の労働党候補に2万3000票以上の差をつけて当選した。

ハンコック氏は2018年からボリス・ジョンソン政権で保健相を務め新型ウイルスのパンデミックではロックダウンなどの対策を主導した。だがソーシャル・ディスタンシングが義務付けられていた2021年6月、当時の不倫相手と公共の場でキスしている様子が監視カメラでとらえられ、辞任した

今年夏から秋の保守党党首選ではスーナク氏を支援したが、スーナク政権での入閣はならなかった。

その後、識字障害の支援活動のためや、若者とつながるためだとして、リアリティー番組に参加したハンコック氏は、視聴者による投票で最終回まで勝ち残った。

Matt Hancock

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画像説明, ハンコック氏はパンデミックの渦中の保健相だった

野党・自由民主党は、ハンコック氏は直ちに議員を辞職するべきだと批判。「明らかに議員としての職務にもう興味はないようで、ウェスト・サフォークの人たちの代表を務めるよりも、リアリティー番組で金もうけをしたい様子だ。富と名声を追いかけるパートタイムの下院議員では、有権者が気の毒だ」とコメントした。