台湾の蔡総統が与党トップを辞任、地方選大敗で引責 総統職は継続

画像提供, Reuters
台湾で26日に投開票された統一地方選で、蔡英文総統が率いる与党・民主進歩党(民進党)が台北市長選で敗れるなど大敗した。蔡氏は同日夜、党トップの党主席を辞任すると表明した。総統職にはとどまる。
首都・台北など複数の主要市長選では、野党・国民党が勝利した。
台湾は米中間の大きな地政学的な火種になりつつあることから、今回の地方選は世界的な注目を集めていた。
中国との緊張が高まる中、蔡氏はこの選挙を民主主義のための投票と位置付けていた。
「選挙結果は予想通りのものではなかった(中略)私はすべての責任を負うべきだ。直ちに民進党主席を辞任する」と、蔡氏は記者団に語った。総統職にはとどまる。
台湾の22市県の首長らを選ぶ統一地方選は、理論上は犯罪、住宅や社会福祉など国内問題が焦点で、当選者は対中政策への直接の発言権を持つわけではない。
しかし蔡氏と政府関係者は、中国政府が台湾への圧力を強める中、この選挙を利用して民主主義のために立ち上がるというメッセージを発信するよう有権者に呼びかけていた。
地方選と同日に実施された国民投票では、選挙権年齢を20歳から18歳に引き下げる憲法改正案の賛否が問われたが、同意票が過半数に達せず承認されなかった。
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2つの党、2つの見解
台湾には民進党と国民党という、中国へのアプローチがそれぞれ異なる2つの主要政党がある。
野党・国民党は長年、親中派の「ハト派」とみなされてきた。中国との経済的関わりを提唱し、中国の台湾統一を支持しているようにみえるが、親中派ではないと強く否定している。
国民党にとって1番のライバルは蔡氏率いる民進党だ。蔡氏は2020年の総統選で、圧勝で再選を果たした。複数の有権者が当時、香港の民主化デモへの中国政府の対応が心配だとBBCに話していた。
中国に強硬な姿勢をとっている蔡氏は、中国政府は台湾を尊重すべきで、圧力には屈しないとしている。
中国政府は自治を行う台湾を、中国大陸と再び統一しなければならない分離した省とみなしている。しかし台湾は、独自の政治体制と民主制度を有する主権国家を自認している。
8月にはナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問。これに反発した中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施し、緊張が高まった。
アメリカは、台湾問題をめぐり綱渡りを続けている。正式な国交を台湾とではなく中国と結んでいる一方で、台湾が自衛できるよう武器の売却を約束。中国によるどのような攻撃も「重大な懸念」を引き起こすことになると強調している。










