スーナク氏、英首相に就任し演説 「行動でこの国をまとめる」

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画像説明, スーナク新首相は首相官邸前で就任後初の演説をした

イギリスの新たな首相に、与党・保守党のリシ・スーナク党首(42)が25日、就任した。直後に首相官邸前で演説をし、国民の政府への信頼を回復し、経済危機に取り組むと表明した。

前日に保守党の党首選で勝利したスーナク氏はこの日、バッキンガム宮殿に招かれてチャールズ国王と会い、政権を発足させるよう要請された。これにより、イギリスの第57代首相となった。

イギリスの首相はスーナク氏で今年3人目。20世紀以降では最も若く、下院初当選から7年目での首相就任は現代イギリスでは最速。初の南アジア系イギリス人の首相であると共に、初のヒンドゥー教徒のイギリス首相でもある。

スーナク氏は首相官邸前で就任後初の演説をし、政府として信頼回復が求められているのを理解していると述べた。そして、政権の重圧は承知しているが「臆してはいない」とし、首相として求められていることに応えていくと抱負を語った。

動画説明, 【全訳】 イギリスのスーナク新首相、就任演説 「言葉ではなく行動で国をまとめる」
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「思いやりをもって課題に取り組む」

スーナク氏は就任演説の冒頭部分で、「この国は現在、甚大な経済危機に直面している」、「新型コロナウイルスの余波はまだ残っている」との認識を示した。

そして、ボリス・ジョンソン政権で財務相だった時代に、雇用維持のための一時帰休などの施策を通して「人と事業を守るために」できる限りのことをしたと強調。

「同じ思いやりをもって、いま私たちが直面している課題に取り組む」とした。また、次の世代に「自分たちで返せない借金」を押し付けることはしないと述べた。

その上で、「言葉ではなく行動でこの国をまとめる」、「皆さんのため結果を出すよう、絶え間なく働き続ける」と決意を表明した。

そして、「この国を未来へと率いる用意はできている」とし、「皆さんが必要としていることを政治よりも優先させ、私の党の最良の伝統を反映した政府を作るため、手を差し伸べる」と語りかけた。

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前任の2首相をたたえる

チャールズ国王がスーナク氏に組閣を要請し、スーナク氏はイギリスの新首相になった(25日午前、バッキンガム宮殿)

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画像説明, チャールズ国王がスーナク氏に組閣を要請し、スーナク氏はイギリスの新首相になった(25日午前、バッキンガム宮殿)

スーナク氏は、リズ・トラス前首相の後継を選ぶ保守党の党首選で24日に勝利し、党首に就任。イギリスでは与党党首が首相になることから、新首相の座を確実にしていた。

スーナク氏は就任演説で、トラス氏はイギリスを成長させようと思ったのであり、それは間違いではなく「高潔な目標だ」とたたえた。だが、「間違いはあった」し、自分が首相に選ばれたのは「その間違いを正すためでもある」と決意を示した。

スーナク氏は、トラス氏の前任のボリス・ジョンソン氏に対しても感謝を表明。首相として「驚異的な成果」を出したとし、ジョンソン氏の温かさと寛容な精神を大事に思っているとした。

ジョンソン氏は3年近く首相を務めたが、相次ぐ不祥事をめぐってスーナク財務相(当時)ら政府要人が次々と辞任したのを受け、今年7月に辞任した。

ジョンソン氏は、直近の党首選で返り咲きの立候補を狙っているともされたが、スーナク氏と会談後、立候補しないと表明した。スーナク氏の首相就任演説の直後、ジョンソン氏はツイッターで、スーナク氏に祝福の言葉を送り、「すべての保守党員が新首相を完全に心から支持すべき時だ」とした。

トラス氏「多大な栄誉だった」

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画像説明, トラス氏も官邸前で首相として最後の演説をした

スーナク氏が新首相に就任したのに先立ち、トラス氏は首相官邸前で首相としての最後の演説をした。

トラス氏は、女王エリザベス2世の死を悼み、チャールズ国王の即位を歓迎する時期に、首相として国民を導くことができたのは「多大な名誉」だったと述べた。

また、自らの政権は、勤勉な家庭を助けるため「緊急かつ果断に」行動したと説明。何千もの企業が倒産しないよう支援し、「悪意のある外国勢力をもう頼りにしなくてもいい」ようにエネルギーの独立性を取り戻したと述べた。

トラス氏は最後に、スーナク氏に対して「あらゆる成功を」を祈っているとした。自身については、選挙区でより多くの時間を過ごし、ベテラン議員として国のために貢献したいと述べた。

(英語記事 Live Reporting