ロシア、ウクライナ侵攻批判の野党政治家を拘束 「ロシア軍の信用を失墜」と

動画説明, ロシアの野党政治家エフゲニー・ロイズマン氏が自宅から連行される際の様子

ロシア当局は24日朝、ロシアのウクライナ侵攻に批判的なことで知られるエカテリンブルク元市長エフゲニー・ロイズマン氏(59)を、「ロシア軍の信用を失墜させた」容疑で拘束した。

ロイズマン氏はロシア国内に残る、最後の著名な野党政治家の1人。他の野党幹部と異なり、これまで殺害、逮捕あるいは国外追放されずにいた。

警察に連行され、自宅アパートから出てきたロイズマン氏に対し、待ち構えていたジャーナリストは起訴される理由を尋ねた。

「ウクライナ侵攻」という「一言」を発したことが理由だと、ロイズマン氏は答えた。

ロイズマン氏をめぐっては、「ロシア軍の信用を失墜させた」容疑で刑事訴訟手続きが進められている。

これは、ロシアでは反戦活動家に対してよく適用される罪状で、「戦争」や「侵略」という言葉を使っただけでも警察が訪ねてくる可能性がある。

ロシア国営メディアは、有罪となれば5年の禁錮刑に処される可能性があると報じた。警察はロイズマン氏のアパートと、同氏の慈善基金の事務所を捜索。内務省はその後、同氏がエカテリンブルクからモスクワへ移されることになったと説明した。

ロシアの政府系メディアは、警察が「外国の政治家の名刺」を押収したとただちに報道し始めた。

政府系メディアは、衝撃な捜査結果として、「ウクライナ保安庁の元長官イゴール・スメシュコ氏の名刺」が見つかったと伝えている。これはクレムリン(ロシア政府)のプロパガンダでよく用いられる戦術で、反政権派は非愛国者で、外国勢力に雇われたスパイの可能性があると印象付けるのが狙い。

モスクワを拠点とする人権監視団体OVD-Infoによると、1万6400人以上が侵略に抗議したとして拘束されている。街頭デモや、窓に反戦ステッカーを貼るなど、拘束の理由は様々だという。

ロシア当局が、国内に残った著名な野党政治家の逮捕を、24日のウクライナの独立記念日まで待っていたのではないかとの憶測もある。

この日は、侵攻開始から半年の節目の日でもあったが、ロシア国営テレビはほとんどそのことに触れなかった。ウクライナでの軍事作戦が長期化していることをロシア国民に思い起こさせないためだとみられる。

Yevgeny Roizman

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画像説明, ロシアの野党政治家エフゲニー・ロイズマン氏

ロイズマン氏は複数のインタビューで、なぜ他の多くの活動家と同じようにロシアから逃げないのかと、度々聞かれていた。

3月には、「私は逃げられない」、「そんなことは私には受け入れられない」と語っていた。

ロイズマン氏はこれまでに、ロシア政権が「特別軍事作戦」だとするウクライナ戦争について批判的発言をしたとして、計4回の罰金を科せられた。

そのうち1回は、戦争に関するセルゲイ・ラヴロフ外相の発言を批判するツイートに関するものだった。このツイートのスクリーンショットは後に、3200ドル(約43万円)で落札されたと報じられている。

ロイズマン氏は野党政治家として人気があり、選挙ではまれな成功を収めていた。ロシア第4の都市であるエカテリンブルクの市長を2013年から2018年まで務めた。