トランプ氏、州司法当局の聴取で回答を拒否

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アメリカのドナルド・トランプ前大統領は10日、一族のビジネスに関するニューヨーク州司法当局の調査で、質問に答えることを拒否した。
トランプ氏はこの日、ニューヨーク・マンハッタンの州司法長官事務所に出向き、宣誓の下で事情を聴かれた。同氏はこれを阻止しようと、州裁判所に訴えていたが、州最高裁は2月、事情聴取に応じるよう命じていた。
トランプ氏の弁護士のロナルド・フィシェッティ氏が米メディアに語ったところでは、事情聴取は長時間の休憩を含め、約4時間に及んだ。
トランプ氏は、レティシア・ジェイムズ州司法長官とその捜査を非難する声明を読み上げ、憲法修正第5条の権利を行使したという。同条は、刑事事件で自らに不利な証人になることを何者も強制されないと定めている。
トランプ氏はその後、質問されるたびに「同じ答えだ」と言ったという。
州司法当局は、トランプ氏の一族が経営する「トランプ・オーガナイゼーション」について、有利な条件での融資や減税を受けるために、保有資産の価値を偽って当局に説明したとみて調べている。
トランプ氏は不正行為を否定。州司法当局による民事調査を「魔女狩り」だとしている。
州司法長官を非難する声明
トランプ氏側は、同氏が州司法長官事務所に到着した1時間後に声明を発表。広範囲にわたる調査と、ジェイムズ州司法長官を批判した。
「何年もの作業と何千万ドルもの費用が、この長くくすぶっている物語に費やされたが、無駄だった」
「私は合衆国憲法の下で全ての国民に与えられた権利と特権として、質問に答えるのを拒んだ」
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州司法長官の事務所もこの日、事情聴取を実施したと発表。「トランプ氏は自己負罪に対する憲法修正第5条の権利を行使した」とし、同氏が証言を拒んだことを認めた。
州司法長官による調査は、民事事件として進められている。ただ、マンハッタン地検も並行して捜査を進めており、刑事訴追に発展する可能性もある。
法律問題のアナリストらは、トランプ氏が10日に質問への回答を拒否したのは、刑事捜査で自らが不利になるかたちで、回答が利用される恐れがあったからではないかと指摘している。

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州司法長官は、すべての調査を終えた後に、トランプ氏や彼の会社に対して金銭的な罰則を求める訴訟を起こす可能性がある。
トランプ氏の娘イヴァンカ氏と息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏も、今月初めに事情聴取を受けている。
トランプ氏をめぐっては、機密情報の取り扱いに関連しているとみられる別の捜査で、連邦捜査局(FBI)が8日、同氏のフロリダ州の私邸を家宅捜索した。大統領経験者に対する前例のない強制捜査として注目された。
BBCのジョン・サドワース北米特派員は、トランプ氏が今回、州司法当局の質問に答えるのを拒んだことについて、同氏の支持者の中には、疑惑に実体があるからだろうと考える人もいるかもしれないと説明した。










