ロシア、マリウポリで再び投降要求 和平交渉再開は「予測困難」とウクライナ側

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ロシア国防省は19日、ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に残るウクライナ兵に対し、20日午後2時(日本時間同午後8時)から武器を置いて投降するよう改めて呼びかけた。こうした中、親ロシア派が同製鉄所への攻撃を開始したと報じられ、近くから煙が上がっているのが確認された。
ロシアは16日にも投降を呼びかけたが、同国国防省の声明によると、期限までに1人も投降しなかったという。
マリウポリはロシア軍に包囲されているが、ウクライナのアゾフ大隊は、市内のアゾフ海を見下ろす巨大製鉄所アゾフスタリでまだ持ちこたえているとされる。
ウクライナのデニス・シュミハリ首相は17日、マリウポリにとどまる守備隊は「最後まで戦う」と述べていた。
親ロ部隊が製鉄所を攻撃か
こうした中、ロシアの後ろ盾を受ける部隊がアゾフスタリ製鉄所への襲撃を始めたと報じられた。
ウクライナ国防省が公開したドローン映像では、製鉄所近くから煙が上がっているのが確認できる。
地元当局によると、製鉄所には約1000人の民間人も避難しているという。親ロシア派はこうした主張を否定している。
マリウポリの市長顧問は、ロシア軍による激しい爆撃が続いており、住宅地も砲撃されているとしている。
ロシアはすでにマリウポリの大部分を支配していると主張している。同市が完全に陥落すれば、ウクライナ南部と東部の広大な地域がロシアの支配下となり、ロシアにとって戦略的大勝利となり得る。

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和平交渉の再開は予測困難に
ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領顧問は、ロシア軍がマリウポリを包囲し続け、東部で新たな軍事攻撃を開始したことで、和平交渉がいつ再開されるのかを予測するのは困難だと述べた。
ポドリャク氏はロイター通信に対し、「マリウポリでの悲劇を踏まえると、交渉プロセスはさらに複雑になっている」と語った。
「人道回廊に関していうと、ロシアは人間らしさや人道主義を示すことを断固として放棄している。特にマリウポリについての話し合いの場で」
ウクライナ当局によると、開戦以降、マリウポリでは少なくとも2万人の民間人が死亡している。民間人を避難させる試みは、ロシアの砲撃により何度も阻まれてきたとしている。
ポドリャク氏は、「ロシアは、同国が主張する『特別(軍事)作戦の第2段階』で成果をあげようとしている。次の対面交渉がいつ可能になるのか語るのは難しい」と話した。
今月初めに、ロシア軍が首都キーウ近郊のブチャから撤退する前に多数の民間人を殺害したとされたことも、両国の関係を悪化させている。
対面交渉は3月29日を最後に行われていない。
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東部ルハンスク州の東部にある街クレミンナ(人口約8000人)では、市街戦が起きていると報告されている。
地元当局は、ロシア軍が18日に同市を制圧したと発表した。ウクライナ軍は再編成するため市内から撤退したという。
一方、キーウ北郊のイルピンでは犠牲者の葬儀が行われ、集団墓地には十字架が設置された。

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西側諸国、さらなる支援を表明
米ホワイトハウスは先週、ウクライナに対して、砲弾4万発やハウイツァー榴弾(りゅうだん)砲18基を含む8億ドル(約1000億円)規模の追加軍事支援を行う方針だと明らかにした。
バイデン大統領は19日、訪問先のニューハンプシャー州ポーツマスで、ウクライナへ武器を追加提供する考えはあるのか問われると、「ある」と答えた。
イギリスのボリス・ジョンソン首相は同日、空対地ミサイル「ブリムストーン」などをウクライナへ提供すると述べた。
(英語記事 Live Page)








