ロシア、マリウポリのウクライナ兵に投降勧告 キーウ周辺の砲撃続く

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ウクライナの軍事侵攻を続けるロシア政府は16日、南東部の要衝マリウポリで防戦を続けるウクライナ兵に対して、17日に投降すれば命を助けると伝えた。これに先立ちウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、マリウポリの守備隊をロシア軍が「排除」すれば、和平交渉の糸口は断たれると述べていた。首都キーウ(ロシア語でキエフ)周辺でのロシア軍の攻撃も続いている。
ロシア政府は、南東部の港湾都市マリウポリで戦い続けるウクライナ兵と「外国の雇い兵」が日本時間17日午前11時から午後6時の間に武器を手放して投降すれば、安全を保証すると発表した。その場合、武装解除した兵は捕虜の待遇に関するジュネーヴ条約に沿って扱うとしている。ロシアによると、マリウポリのほぼ全域をロシア軍が制圧した。
ロシアが定めた投降期限後も戦い続ける兵についてどうするつもりか、ロシアは明らかにしなかった。ロシア政府はこの提案は「あくまでも人道的な原理原則に則ったもの」だとしている。

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ロシア政府によると、市内に残るウクライナ兵は、アゾフスタリ製鉄所とその周りのごく狭い地域に限られている。
ロシア政府は、アゾフスタリ製鉄所に残る兵士に向けて夜通し30分おきに投降勧告を流し続ける方針という。
ロシアの国営タス通信が伝えたロシア国防省報道官談話によると、製鉄所内にはウクライナ兵約2500人がたてこもっており、ロシア軍に包囲されているため脱出できずにいるという。BBCはこの情報を独自に検証できていない。
ロシア政府はさらに、ウクライナ政府からの投降許可を待つのではなく、自ら判断するようウクライナ兵に呼びかけた。

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マリウポリの状況はきわめて厳しい=ゼレンスキー氏
ロシアがマリウポリの兵士に投降期限を通告したという知らせを受けて、ゼレンスキー大統領はマリウポリでウクライナ軍が守っているのはもはやごく狭い地域に限られていると認めた。マリウポリの守備隊と政府は常時、連絡を取り合っているという。
ロイター通信によると、マリウポリの状況は非常に厳しいと大統領は話した。アゾフスタリ製鉄所にたてこもる兵士を除いて、市内のウクライナ兵はほぼ排除されたという情報については、直接言及しなかった。
マリウポリのウクライナ兵に対するロシアの通告に先立ち、ゼレンスキー大統領は国内メディアに対して、ロシア軍がマリウポリでウクライナ兵を全滅させれば、「交渉はおしまいだ」と述べた。
さらに、「マリウポリはボロジャンカの10倍になり得る」と、激しい攻撃で多数の犠牲が出たと懸念されている北西部ボロジャンカに言及した。
ウクライナ・プラウダのウエブサイトで大統領は、ボロジャンカでは「大勢ががれきの下敷きになったままだ」と述べ、「ボロジャンカのような目に遭う場所が増えれば増えるほど、(和平交渉は)難しくなる」と話した。
首都周辺でも攻撃続く

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ロシア軍の攻撃は、首都キーウ周辺や西部リヴィウでも続いている。
キーウのヴィタリ・クリチコ市長は16日、キーウ西部ダルニツキ地区へ夜間に迫撃砲攻撃があり、1人が死亡し複数が負傷したと発表。首都から避難した住民に対して、今は市内に戻るべきではないと強く呼びかけた。
メッセージアプリ「テレグラム」でクリチコ市長は、キーウ市民は今後も攻撃を警戒するよう呼びかけた。北の近郊ではロシア軍が残した地雷の危険もあると警告した。
市長は「早い段階で避難して、すでに首都に戻ろうとしているキーウ市民は、そうせずに、もっと安全な場所にとどまってほしい」と呼びかけた。
15日にはキーウ近郊ヴィザルの軍需工場が、ロシアのミサイル攻撃を受けている。工場では、黒海艦隊旗艦の巡洋艦モスクワへの攻撃に使われたとされる、ウクライナ軍の「ネプチューン」ミサイルに似た対艦ミサイルを製造していた。
(英語記事 Ukraine live updates)










