ウクライナ東部各地で攻撃続く ロシア側にも多数の犠牲か

画像提供, ALKIS KONSTANTINIDIS
ウクライナでは17日、東部の各地でロシア軍の攻撃が続いた。ウクライナ第2の都市ハルキウの保健当局は同日、新たに5人が死亡し、13人がけがをしたと発表した。このほか、南部ミコライウなどでも終日爆撃が続いたほか、東部ドンバス地方での大攻勢に向けた動きも激化しているとされる。
ハルキウでは市街地が爆撃され、消防車が出動した。消防隊は住宅の消火活動に追われた。
AFP通信の記者によると、爆撃によって街中で火災が起きたほか、建物の屋根が壊れて道路にがれきが多数落下したという。
首都キーウへの侵攻を止めて以降、ロシア軍はハルキウを含む東部への攻勢を強めている。ハルキウはロシアとの国境から21キロしか離れていない。
15日には、ハルキウの住宅地が爆撃に見舞われて10人が亡くなった。16日にも、2人が死亡している。

画像提供, ALKIS KONSTANTINIDIS
ソ連の英雄の胸像が引き倒される
こうした中、ハルキウ市内では、第2次世界大戦で活躍したソヴィエト連邦の英雄、ゲオルギー・ジューコフ将軍の胸像が何者かに引き倒された。
ソーシャルメディアで拡散された動画には、胸像が路上に引き倒されている様子が映っている。
極右政党ナショナル・コーと関連のある軍部隊のリーダー、コンスタンティン・ネミチョフ氏が、自らの部隊分がやったと発表。
同氏のテレグラムアカウントに投稿された動画では、胸像がトラックで引きずられた後、ゴミ捨て場に置き去りにされている。
市当局は長い間、この胸像の撤去に反対していた。
ジューコフ将軍はスターリングラードの戦いやクルスクで功績を収め、第2次世界大戦におけるソ連の最も偉大な司令官とされている。
今回のような方法で胸像が撤去されたことは、多くのロシア人から深刻な挑発行為と受け止められるとみられている。
ミコライウで連日ロケット弾攻撃

画像提供, STRINGER
南部ミコライウや周辺地域でも、ロシア軍のロケット弾による攻撃が続いている。ミコライウ州のヴィタリイ・キム知事はBBCの取材に対し、ウクライナ軍はロシア軍が港湾都市オデーサに侵入するのを防いでいると説明した。
キム知事によると、ミコライウでは17日の朝から断続的に攻撃が続いており、市内の1区域に電力を供給している電線が破壊されたという。
市街地に向かっていたBBCの取材チームも、爆発音を聞いている。
同地域の軍報道官も、ロシア軍は配電網や住宅、遊び場などをさまざまなミサイルで攻撃していると語った。
ミコライウを守っているウクライナ軍は、戦略的港湾都市であるオデーサを含む南東部がロシア軍に制圧されるのを防いでいる。
キム知事は、ここ数日の攻撃にもかかわらず、ロシア軍は前線を動かさせていないと語った。
「(ロシア軍は)1日どころか1週間かけてもミコライウまで前進できない。だから危険が迫っても、市民にはミコライウを去るための余裕がある。街に危険がせまったら、全員に避難するよう呼びかけるつもりだ」
「でも現時点では包囲されたり占領されたりする危険性はない」
ミコライウ周辺では4日前に主要な水道管が爆破されて以来、水の供給が止まっている。井戸水が大半の人々の飲み水を供給しているが、衛生面では水道は機能していない。
ドンバスは明け渡さないとゼレンスキー大統領
首都キーウ近郊で敗退して以降、ロシアは東部に軍隊を集結させ、親ロシアの分離派が支配するドンバス地方に重点を移している。
これについてウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同国はドンバス地方で戦っており、「明け渡すつもりはない」と語った。
CNNが17日に放送したインタビューでゼレンスキー氏は、紛争を止めるためにロシアにドンバスとウクライナ東部の一部を占領させるという考えを一蹴した。
さらに、「ウクライナとその国民は明確だ。我々は他人の領土を要求することはないが、我々の領土を手放すつもりもない」と述べた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がドンバス占領と言う時、ウクライナの古い石炭と鉄鋼の産地について言及している。ルハンスクとドネツクという、南のマリウポリ郊外から北の国境まで続く東部の2つの大きな地域全体を意味しているとされる。
ロシアでさらに司令官が死亡
ロシアの国営タス通信は、同国第8軍副司令官のウラジーミル・ペトロヴィッチ・フロロフ少将が、ウクライナでの戦争で死亡したと報じた。
このニュースは、サンクトペテルブルクのアレクサンドル・ベグロフ市長も認めている。ベグロフ市長は、「ウラジーミル・ペトロヴィッチ・フロロフ氏が、ウクライナのナショナリストとの戦いで英雄的な死を遂げた」と述べた。
「フロロフ氏の犠牲によって、ドンバスの子供や女性や高齢者は爆発音を聞かなくて済むだろう。死を待ったり、家を離れたり、これが最期だと別れを言ったりすることもないだろう」
しかし、ウクライナで起きている爆撃のほとんどはロシア軍によるものだ。
ウクライナ侵攻が始まって以来、ロシアの将軍や高級将官の死亡が何度も報告されている。このような上官が戦場に近づいて自らを危険にさらすことは異例なことから、西側の情報筋は、一部地域でひどく停滞していた作戦をある程度機能させるために前線に出たのだろうとみている。
巡洋艦「モスクワ」で船員死亡か=報道

画像提供, MAX DELANY/AFP
ウクライナのミサイルによって沈没した黒海艦隊の旗艦「モスクワ」をめぐっては、約40人のロシア人船員が死亡、数十人が負傷、行方不明になっているとされる。ロシア国防省は今のところ、死傷者数について何も発表していない。
ロシアの独立系新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」の欧州版は17日、同艦に乗っていたとされる海兵の母親の話を掲載した。
それによると、海兵が巡洋艦モスクワから電話をかけてきて、ウクライナ領海内で、陸地から発射された3発のミサイルで撃たれたと言ったという。
「息子が電話をしてきて、自分の見た光景に泣いていた。とても恐ろしかった」と、この母親は語っている。
この海兵は何を目にしたか詳細は話さなかったが、爆発によって多くの海兵が手足を失っていたと話したという。
同紙は、安全性の観点からこの母親と海兵の名前を明かしていないが、この海兵が巡洋艦モスクワに乗船していたことを示す書類を確認しているとしている。
巡洋艦モスクワについてロシア国防省は16日、乗船していたとする船員が、セヴァストポリ港で司令官と会っている動画を公開した。
ロシアは、同艦が母港セヴァストポリへ曳航(えいこう)中に、「荒れた海」が原因で沈んだと主張。一方、ウクライナは同国製の対艦ミサイル「ネプチューン」で攻撃したと発表している。
ウクライナとロシア、犠牲者発表に差
侵攻開始以来、ウクライナは定期的にロシア側の死者数を発表しているが、ロシア側はあまり頻繁には発表していない。
しかし紛争が8週目にさしかかった今、双方とも恐ろしいほど高い数字を示している。ただし、どちらもBBCは検証できていない。
ウクライナ国防省はフェイスブックへの投稿で、ロシアの侵攻が始まった2月24日以降、約2万300人のロシア兵が死亡したと発表した。
一方ロイター通信によると、ロシアはウクライナ軍が被った「回復不能な損失」は2万3367人に上るとしている。ただし、この損失が死者だけなのか、負傷者も含むのかには言及していない。
また、自軍の損害をどの程度オープンに認めるかも、双方に違いがある。
ウクライナは定期的に発表している。15日に行われたCNNのインタビューでゼレンスキー大統領は、開戦以来最大で3000人のウクライナ兵が死亡したと語った。
対するロシアは、数字を公表することに消極的だ。ロシアの国防省は3月25日、これまでに1351人のロシア兵が戦闘で死亡したと発表した。
教皇フランシスコ、ミサで戦争に言及

画像提供, VATICAN MEDIA
キリスト教カトリック教会の教皇フランシスコは、17日のイースター(復活祭)のミサでウクライナでの戦争に言及した。ウクライナの平和を求める人々の訴えに耳を傾けるよう指導者に求め、同国を「残酷で無意味な」紛争に引きずり込んだロシアを批判した。
ヴァチカンのサンピエトロ広場では、2019年以降、新型コロナウイルスによる制限でイースターのミサが開かれていなかった。
この日、2年ぶりに5万人を前にミサを行った教皇は、「わたしたちも戦争の中で迎えたこの復活祭を信じられない思いで見ている。わたしたちは、あまりにも多くの流血と暴力を見てきた」と語った。
「わたしたちの心も恐怖と苦悩に満ちている。多くの兄弟姉妹が爆撃から身を守るために閉じこもらなければならない」
その上で、ウクライナは「残酷で無意味な戦争に引きずり込まれ、暴力と破壊によって傷めつけられている」と述べた。
ヴァチカンで復活祭の前日に行われたミサには、マリウポリのイヴァン・フェドロフ市長とウクライナの議員3人が参列した。
ローマ教皇庁によると、教皇はこのミサの前に、ウクライナ代表団と個人的に面会したという。
フェドロフ氏は3月、ロシア軍に拘束されたが、その後、捕虜交換で解放された。マリウポリは現在もロシアの占領下にある。
(英語記事 Live Page 1/ 2)









