北朝鮮の金与正氏、韓国が先制攻撃すれば「核で報復」と

Kim Yo-jong

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画像説明, 金与正(キム・ヨジョン)氏

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹で有力者の金与正(キム・ヨジョン)氏は、韓国が先制攻撃を仕掛けた場合、北朝鮮は核攻撃で報復すると述べた。北朝鮮の国営メディアが5日、報じた。韓国政府関係者の発言を受けたもの。

韓国の徐旭(ソ・ウク)国防相は先に、韓国には北朝鮮のミサイル発射場を攻撃する能力があると発言。与正氏はこれを受けて、2つの声明を発表した。

北朝鮮は今年に入って数回のミサイル発射実験を行っており、緊張が高まっている。

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5日に北朝鮮の国営メディアで発表された2つ目の声明で与正氏は、「韓国が我々との軍事的対決を選択した場合、我々の核戦闘力は必然的にその任務を遂行しなければならないだろう」と述べた。

3日に発表された1つ目の声明では、攻撃を示唆した徐氏を「クズのような男」と呼び、直接非難していた。

その上で与正氏は、北朝鮮は戦争を望んでおらず、先制攻撃はしないが、攻撃された場合は対応すると付け加えた。

また、北朝鮮のミサイル基地を攻撃できる能力があるとする韓国の主張を「荒唐無稽な夢」と断じた。

People watch a television screen showing a news broadcast with file footage of a North Korean missile test, at a railway station in Seoul on March 16, 2022

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画像説明, 北朝鮮は今年3月にミサイル実験を強化していた

アナリストなどによると、与正氏が公に発言するのは6カ月以上ぶり。主に北朝鮮国内の聴衆を安心させることを目的としているとみられている。

韓国・世宗研究所の北朝鮮アナリストである鄭成長(チョン・ソンジャン)氏は、与正氏の語調について、「北の内部の結束を高める」ことを目的としていると指摘。一方で、北朝鮮には韓国の新政権との今後の関係について不確実性と懸念があると述べた。

韓国で5月に就任する尹錫悦(ユン・ソギョル)次期大統領は、北朝鮮に対してよりタカ派路線をとる可能性があるとみられている。

尹氏は選挙期間中、今年に入って北朝鮮のミサイル発射実験の回数が大幅に増加していることを受け、北朝鮮に対する先制攻撃の可能性を示唆した。

一方の北朝鮮はつい2週間前に、同国最大の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功したと主張した。

発射の真偽は韓国から疑問視されたが、2017年から自主的に休止していた長距離実験が再開されたため、その意味するところは重く受け止められている。

国連は北朝鮮に弾道ミサイルや核兵器実験を禁止しているが、同国はこれに背き、複数の国が制裁を科している。

動画説明, なぜ北朝鮮はミサイル実験を繰り返すのか