北朝鮮、大型ICBM「火星17」の発射実験に成功と発表

画像提供, North Korea state media
北朝鮮は25日、これまでで最大の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を24日に成功させたと発表した。
国営メディアによると、24日に発射されたのは「火星17」。金正恩総書記が直接、発射実験を指揮したという。
北朝鮮のICBM発射は2017年以来。長距離ミサイルのICBMは、アメリカ本土まで届く。国連は北朝鮮にICBMの発射を禁じており、これまでの発射実験に対しては厳しい制裁を発動している。
北朝鮮の国営メディアはICBMについて、核戦争抑止の鍵だと主張した。
核弾頭の複数搭載が可能か
「火星17」は2020年10月の軍事パレードで初公開された。北朝鮮の兵器を長年分析してきたベテランのアナリストも、その大きさに驚いた。
米カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ氏は今回の発射を、北朝鮮の核備蓄にとって「大きな節目」だとした。
その上で、「今回の実験は以前から予告されていたもので、北朝鮮が核抑止力の向上に努力し続けていることを意味する」とBBCに説明。
「北朝鮮が保有する中で最大のミサイルで、この先、複数の核弾頭を搭載する可能性がある」と述べた。
高度6000キロに到達
今回のミサイル発射は、日本と韓国の防衛当局が追跡していた。日本の当局は、ミサイルは高度6000キロに達し、1時間以上飛行した後、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと発表した。
北朝鮮が2017年に数度にわたって発射実験をした「火星15」の到達高度は4500キロで、今回はそれを上回った。
専門家らは「火星15」について、通常軌道で発射されれば飛距離は1万3000キロを超えた可能性があったと分析。アメリカ全土を射程内に収めたとしていた。
今回の新型ミサイルは、それよりさらに高く、遠くまで飛ぶとみられている。


北朝鮮はここ何週間かミサイルの試験発射を繰り返している。うちいくつかは、アメリカと韓国がICBMシステムの試験だとみている。北朝鮮は人工衛星の打ち上げだと主張してきた。
ICBMの発射実験は、北朝鮮が軍備増強をエスカレートさせたものと受け止められている。近隣諸国やアメリカ、国連が非難している。
米ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、国連安全保障理事会の決議に対する「大胆不敵な違反」だと批判。「外交のドアは閉じられていないが、北朝鮮は情勢を不安定にする行動を即時やめなくてはならない」と述べた。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長も、「地域の緊張を大きく高めるもの」だとして、今回の発射を非難。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「金正恩総書記が国際社会に約束した、大陸間弾道ミサイル発射の停止に違反するもの」だと述べた。

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北朝鮮の国営メディアによると、金総書記は発射実験のあと、同国がアメリカ帝国主義との長い対立への準備を進めているところだと話したという。
BBCのローラ・ビッカー・ソウル特派員は、核兵器を保有するエリート国家の一員とみなされることを、北朝鮮は強く欲していると説明。多くのアナリストが、実験はさらに続くとみているとした。
また、アメリカにとって北朝鮮は現在、最優先の問題ではないと指摘。米政府が本腰を入れて対処するとしても、これまでの非難声明や制裁、外交努力のほかに何ができるのかが問題になると解説した。







