ロシア軍は「撤退ではなく再編成」とNATO ジョージアから部隊増派か

A man rides his bike past a destroyed Russian tank in Trostyanets, in the north-east of Ukraine

画像提供, Getty Images

画像説明, ウクライナ北東部トロスティアネツでは、ロシア軍が戦車を置き去りにしていた

北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は3月31日、ウクライナのロシア軍について、東部での攻撃を強めるために再編成しているとの見方を示した。英当局は、ロシア軍がジョージアから部隊を増派しているとした。

ストルテンベルグ氏はこの日の記者会見で、「ロシアは再編成、再補給、再強化しようとしている」と述べた。

ロシアは29日の停戦協議の後、首都キーウ(ロシア語でキエフ)とチェルニヒウ周辺での軍事活動を「大幅に」縮小すると表明した。

しかし、ストルテンベルグ氏は、ロシア軍の動きは撤退と言えるものではないと話した。

ロシア政府は現在、南東部ドンバス地方の「解放」に重点を置いているとしている。

一方、イギリス当局は、ロシアがジョージアから1200~2000人規模の部隊を、補強のためウクライナに派遣しているとした。

英国防省は、「ロシアがこのような形の増強をそもそも計画していた可能性はきわめて低く、この侵攻中に想定外の損失を受け続けていることの表れだ」とツイートした。

一層の攻撃と苦しみ」

ストルテンベルグ氏は会見で、「都市への砲撃が続き、ロシアは一部部隊を配置し直している状況だ。ドンバス地方での活動強化を目的に部隊を移動している可能性が高い」と述べた。

また、「同時に、ロシアはキーウなどの都市に圧力をかけ続けている。これまで以上の攻撃と、一層の苦しみがあるだろう」と予測。ロシアは軍事的な成果を追求するという目標を変えてはいないとの見方を示した。

イギリスのベン・ウォレス国防相も、ストルテンベルグ氏の見解に沿う警告を発した。

ウォレス氏は、ロシアの戦術の変化は「後退ではない」とし、当初の軍事行動がうまくいかなかったため「焦点を変えている」とした。

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一方、アメリカの国防当局者は、キーウ周辺のロシア軍の約2割が再配置の動きを見せ始めたとの見方を明らかにした。

この当局者は、ロシア軍がキーウ郊外のホストメリ空港をほぼ放棄したと説明。チョルノービリ(ロシア語でチェルノブイリ)原発からも撤退しているとした。

MAP

続く空爆

ロシア軍は、地上でいくぶん部隊を分散させているが、上空では圧力をかけ続けている。キーウや北部チェルニヒウで空爆を継続している。

南部の都市や町でも爆撃はやんでいない。ロイター通信によると、ウクライナのヴァディム・デニセンコ内相補佐官は、南部が主要な前線になっていると話した。

ウクライナ空軍は31日夜、西側諸国に追加支援を求めた。兵器が旧型のため、ロシア軍に対抗できないとし、新型戦闘機F-15やF-16、アメリカのパトリオットミサイルや、ノルウェーのNASAMSミサイルの提供を呼びかけた。

ウクライナ空軍はツイッターで、「真実:空での優位性がこの戦争を決する要因であり、第2次世界大戦後のすべての戦争で鍵を握ってきた」とした。

Russian positions

米情報当局によると、ロシア軍は侵攻開始以降、東部であまり前進できていない。ウクライナ軍がロシア軍の動きを「行き詰まらせ」、「妨害」しているためだという。

東部には、独立を一方的に宣言しているルハンスクとドネツクの両「人民共和国」がある。ロシアはそれを支援しており、2月24日の侵攻開始3日前には独立国家と承認した。

ロシア軍の配置転換について、米情報当局はどのような効果を生むかまだ分からないが、長期化につながる可能性があるとした。