和平交渉に進展の兆し、ロシア軍は攻撃を続行 EU4カ国がロシア外交官43人追放

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ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、トルコ・イスタンブールで29日に対面形式の停戦交渉が開かれ、進展の兆しがみられた。ただ、ロシア軍の攻撃はやまず、南部の港湾都市ミコライウでは地方政府庁舎がロシア軍に爆撃され、少なくとも12人が死亡したと当局が発表した。
ロシア政府は、ウクライナとの「相互信頼を高めるために」ウクライナの首都キーウ(キエフ)および北部チェルニヒウ周辺での軍事活動を「大幅に縮小する」ことにしたとしている。
この決定は、和平交渉における初めての具体的進展となったが、依然として多くの問題が未解決のままとなっている。
軍事活動の縮小がどれほど広い範囲に及ぶかは分かっていない。また、アメリカも懐疑的な見方を示しており、すでにロシアが軍事作戦をウクライナ東部に再び集中させていると指摘している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、交渉から発せられているポジティブな兆しが「爆発やロシアの砲弾をかき消すことはない」と述べた。
この日の交渉には、ロシアの富豪ロマン・アブラモヴィッチ氏も出席した。アブラモヴィッチ氏をめぐっては対面交渉の数時間前、3月初めにウクライナとベラルーシの国境で行われた和平交渉の場で毒物攻撃を受けた疑いのある症状が出たと報じられていた。

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ミコライウ州知事室が破壊される
ウクライナによると、和平交渉が行われる中もロシアによる全面的な攻撃は続いた。
南部の港湾都市ミコライウでは地方政府庁舎がロシア軍に攻撃され、少なくとも12人が死亡、20人以上が負傷したと当局が発表した。
この攻撃でミコライウ州のヴィタリー・キム知事の執務室が破壊された。キム氏は当時不在で、「寝坊したので(中略)運がよかった」と話した。
当局は生存者を助けようとがれきの中を捜索している。
ミコライウ市に駐留するウクライナ軍はこの数週間、黒海沿岸に沿って西側に前進しようとするロシア軍を撃退している。

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ウクライナ兵、ロシア兵捕虜を銃撃か

ウクライナ当局は、ウクライナ兵がロシア兵捕虜の足を銃で撃っている様子とされる動画について調査を進めている。
この画質の粗い動画は27日に浮上した。ソーシャルメディアで拡散され、親ロシア派のアカウントが様々なプラットフォームで広くリポスト(再投稿)している。
ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジヌイ総司令官は、ロシア兵捕虜の扱いについてウクライナ側の信用を失わせるため、ロシアが「演出された動画を撮影し、ばらまいている」とした。
しかし、ウクライナのオレクシー・アレストヴィッチ大統領顧問は、直ちに調査が行われるとし、「私は、戦争捕虜の虐待は戦争犯罪であるということを、全ての軍人、民間人、国防軍に再認識させたい」と付け加えた。
BBCはこの動画の分析を進めているが、まだ真実性を独自に検証できていない。

抵抗するオデーサ、「活気を取り戻しつつある」

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ウクライナ南部ではウクライナ軍がロシア軍を押し戻しており、ロシア政府が依然としてウクライナの沿岸全域の掌握をめざしているのかどうか疑問が浮上している。
ロシアの戦略的目標である南部港湾都市オデーサ(オデッサ)では、ロシア軍に砲撃されるという差し迫った恐怖は和らいでいる。ただ、これは小康状態に過ぎないだけかもしれないと、現地の人々は安心できずにいる。
歴史的建造物が残る、国際的なリゾート地のオデーサの街は、まるでクレムリン(ロシア政府)に抵抗するかのように、そのゆったりした休暇精神を取り戻そうと、ゆっくり動き出している。
市内では最近、クラブやビーチ、ネイルサロンが再開している。少なくともこの黒海沿岸地域では、ロシアとの戦争の行方について地元住民の自信が高まっていることを反映している。
「街は活気を取り戻しつつある。そう感じています。恐怖心が少し薄れてきたような気がします」と、クラブ「More Music」で1時間の演奏を終えたバンドのドラマー、アレクサンドル・ホドセヴィッチさんは話した。

EU4カ国、ロシア外交官を追放
欧州連合(EU)加盟国のアイルランド、ベルギー、オランダ、チェコは29日、スパイ行為などの疑いで合わせて43人のロシア外交官を追放すると発表した。
ベルギーのソフィー・ウィルメス外相は国会で、在ブリュッセル・ロシア大使館と在アントワープ・ロシア領事館の職員21人に対し、2週間以内に出国するよう求めたと説明。今回の追放は「わが国の安全保障に関わる」ものだとした。
ウィルメス氏は、今回の動きはベルギーの隣国オランダと連携した対応だと付け加えた。オランダ外務省は、諜報員として「ひそかに活動している」と考えられるロシア外交官17人を追放するとした。
アイルランドのミホル・マーティン首相は、同国政府が情報当局から安全保障上の助言を受け、ロシア外交官4人の追放を決めたと明らかにした。「彼らの活動は外交官としての国際的な行動基準に沿っていない」と判断したという。
在ダブリン・ロシア大使館は「根拠のない決定」を拒否するとし、「ロシアとアイルランドの関係をさらに悪化させる」ものだと付け加えた。
こうした中、チェコ政府関係者はAFP通信に対し、首都プラハから追放された外交官はロシアの副大使だと語った。
チェコ外務省は「同盟国とともに、EUにおけるロシアの情報機関の存在感を弱めている」とツイートした。
今回の動きに先立ち、ポーランドは23日、国内でスパイ行為に関与した疑いがあるとしてロシア外交官45人を追放すると発表した。ポーランドの情報当局が「わが国のロシア特殊部隊のネットワークを解体している」と、ポーランドの内相はツイートした。
3月初めにはブルガリア、リトアニア、ラトヴィア、エストニアが「外交官の地位に反する」活動に関連し、各国のロシア大使館の職員計20人を追放した。ロシアはこれを受け、エストニア、ラトヴィア、リトアニアの外交官10人を追放すると発表した。







