プーチン氏、「ウクライナ軍が武器放棄すれば」マリウポリでの攻撃停止

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ロシア政府は30日、ウラジーミル・プーチン大統領が29日の仏大統領との電話会談で、ロシア軍が包囲したウクライナ南東部の港湾都市マリウポリについて、ウクライナ軍が降伏した場合にのみ砲撃を停止すると述べたと発表した。一方、ロシア国防省は民間人避難のためとして、マリウポリで現地時間31日午前から、1日限定で停戦するとした。
ロシア政府の声明によると、プーチン大統領は29日に行われたフランスのエマニュエル・マクロン大統領との電話会談でマリウポリでの砲撃を停止する条件に言及した。この日の電話会談は1時間に及んだという。
仏政府関係者は、プーチン氏が民間人をマリウポリから避難させる計画を検討することに同意したとしている。
ロシアはその後、31日に1日限定で停戦すると発表した。
ロシアの停戦案
ロシア国防省によると、停戦は現地時間31日午前10時(日本時間同日午後4時)に開始される。ロシアの支配下にあるベルディアンスク港を経由してザポリッジャ(ザポロジエ)に移動できるようになるという。
同省は、赤十字社と国連の難民機関にもこの避難活動に参加してもらいたいとしている。また、ロシアの提案に対するウクライナからの回答を待っているところだとした。
マリウポリでの停戦実現に向けたこれまでの試みは、両国が互いに不誠実さを非難し合い失敗に終わっている。ロシアは、ウクライナの民間人数千人をロシアの支配地域に強制的に移住させたとして非難されている。
こうした中、マリウポリの破壊状況をとらえた新たな衛星画像が公開された。
米人工衛星会社マクサーが公開した衛星画像では、住宅地ががれきと化し、マリウポリ郊外にはロシア軍の大砲が配備され発射態勢を取っている様子が確認できる。

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エリゼ宮(フランス大統領府)関係者は、マリウポリ市内は「壊滅的」な状況だとし、「民間人は保護されなければならないし、希望者は街を離れなければならない。彼らが食料や水、必要な医薬品にアクセスできるようにしなければならない」と述べた。
「このひどく悪化した人道的状況は、ロシア軍による街の包囲と関連がある」と、仏大統領府は声明で指摘した。
フランスはトルコ、ギリシャ、複数の人道支援団体とともに、マリウポリからの民間人の避難計画をプーチン大統領に提示している。
関係者は、プーチン氏はマクロン仏大統領に対し、この提案について「検討する」と述べたとしている。
しかし、クレムリン(ロシア政府)の発表では、プーチン氏がそのような約束はしていないようにみえる。
ロシア政府関係者によると、プーチン氏はマクロン氏に対し、マリウポリでの「困難な人道的状況を解決するためには、ウクライナの民族主義者が抵抗をやめて武器を捨てなければならない」と述べた。
さらに、「緊急人道支援を提供」し、マリウポリから「民間人を安全に避難させるための、ロシア軍による対応措置の詳細」を提示したという。
ウクライナは、数千人の市民をマリウポリからロシアの支配地域に強制移住させたとしてロシアを非難している。

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マリウポリから避難している同市のヴァディム・ボイチェンコ市長は、ロシア軍による砲撃でこれまでに約5000人が死亡したとロイター通信に述べた。死者には約210人の子どもも含まれる。
ウクライナの国連人権監視団のマチルダ・ボグナー団長はロイター通信に対し、「マリウポリでは数千人の死者、民間人犠牲者が出ている可能性がある」との見方を示した。
国際赤十字社の人道支援組織は、マリウポリ市内にある同組織の倉庫の1つがロシア軍に砲撃されたとの報告があったことを認めた。倉庫内にあったすべての物資はすでに配布されていたと、BBCに説明した。
また、すでに現地にはチームを配置していないため、死傷者や被害の程度についてはコメントできないと付け加えた。








