スーパーで買い占め、オフィスで隔離生活……ロックダウン中の上海の暮らし

画像提供, Edward Lawrence
上海で25日から、新型コロナウイルスの流行を受けてロックダウンが開始された。何千人もの住民が物資の備蓄に奔走している一方、企業活動を継続するためにオフィスで隔離生活を送る人もいる。
人口2500万人の同市では過去数週間にわたり、1回きりのロックダウンが複合的に行われていたが、今回は2つに分断された。
上海の東半分に住む人々は今週初め、家にいるよう指示された。西半分は4月1日から封鎖される予定だ。
上海は現在、オミクロン株の感染拡大と闘っている。3月1日以降、無症状を含む2万人以上のCOVID-19感染者が報告されている。患者数はこの4週間で、パンデミック中の過去2年間の合計を超えた。
中国政府のゼロ・コロナ戦略は、感染力の強いオミクロン株によってますます困難になっている。
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国際金融都市である上海はこれまで、閉鎖を特定の地区や建物に限定することで、市の運営を維持しようとしていた。
しかし27日には、黄浦江に沿って街を半分に分けて実施する大規模な封鎖を発表した。
川の東岸の浦東地区に住む市民は、25日からのから4日間、自宅から出ないよう指示された。西岸の浦西地区は4月1日に封鎖される。
また、上海の全住民を対象に新型ウイルスのスクリーニングのための集団検査が実施されている。
先週初めには、当局が浦西の封鎖を数日前倒しする、あるいは検疫期間を延長するという噂が流れ、市民がスーパーに殺到する事態となった。
市当局は26日、こうした憶測は「純粋なうわさ」だとする声明を発表し、事態の収拾に努めた。
しかしロイター通信は、街の西側に住む住民が26日、市の住宅委員会から今後7日間、自宅の敷地から出ることを禁止するという通知を受け取ったと報じた。

ロックダウン中の上海の暮らし

画像提供, Edward Lawrence
上海在住のBBCスタッフに、ロックダウン中の状況を聞いた。
浦西から:「25日に黄浦から静安、徐匯の中心街を自転車で走ったとき、街は必需品を買い求める人々でごった返していた。スーパーマーケットや生鮮品市場では、入り口から通りまで行列が続き、中には一度に限られた人数しか入れないところもあった。
「横丁のにぎやかな市場では、精肉店の店員が新鮮な豚肉の塊を取り出した。客がその周りに群がり、指をさして『一切れほしい』と叫んでいた」
「26日には、同じ通りでもずっと静かに感じられた。主要なショッピングエリアの新天地も、いつになく静かだった。アップル、コーチ、スターバックスなどの店舗は開いていたが、客足は遠のいていた」
浦西から:「私の住む建物は、数週間前からすでに封鎖の対象だった。長く仕事を休んでいるために失業を心配する隣人もいれば、長期間の孤立でうつになったという人もいる」
「私たちの毎日は、混沌(こんとん)とした新型ウイルス検査と多忙なオンラインショッピングでいっぱいだ。毎日朝6時に目覚ましをかけて、生鮮食品をオンライン注文するが、品切れだったり、配達員が不足していて、注文がキャンセルになることもある」
「待つばかりで、答えがないのが現状だ」
浦東から:「1日に湧き上がる主な疑問は、『次の検査は何時か? 外を歩いてもいいのか? 出前の注文が通るかどうか配達アプリで確認した?』といったものだ」
「ここ数日は、敷地の道の先へ行けなくなっていた。昨日は、周りの人が持っていけるよう大きなボトルの水を置いてくれる隣人がいた。野菜や卵の共同購入を取りまとめてくれる人もいた」
「2500万人近い人々の中にいるCOVID-19患者を、数日間で検査し、分析し、発見し、それからすぐにロックダウンを解除できるのか、みんな疑問に思っている。何週間もかかることを覚悟している」

オフィスやトレーニングジムで隔離生活
25日の封鎖に先立ち、2万人以上の金融サービスの従業員が金融街・陸家嘴のオフィスに呼び戻され、残りのロックダウン期間をそこで過ごし、業務を円滑に進めるよう命じられたという。
いくつかの企業は、宿泊用に寝袋や基本的な物資を用意した。ある従業員は共産党系メディアの環球時報に、「新型ウイルスのせいで株式市場が開かなくなるということはない」と語った。
もっと変わった場所に身を隠すことを余儀なくされた人もいる。
ソーシャルメディアでは、3月11日にトレーニングジムにいた時に、その地域のロックダウンが発表されたという女性の体験談が話題となった。この女性は、その後4日間にわたってジムに隔離された数十人のうちの一人で、スタッフが用意したヨガマットや掛け布団で眠り、ジムに届けられた食事を食べていたという。
澎湃新聞の取材でこの女性は、隔離期間はずっと運動をし、体重を約1.5kg落としてジムを後にしたと語った。この体験談は、3月初めに広く報道された、鄭州の女性が火鍋レストランで数日間隔離されたケースと通じるものがある。
しかし、こうした制限によって、神経をすり減らしたという人もいる。
今週に入って拡散された動画では、ある建物の敷地内で行われた、上海では珍しい抗議行動が映っていた。住民は1カ月近く屋内に閉じ込められており、食料の供給が少ないと訴えていた。
また、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」では、ロックダウンのために薬を受け取ったり治療を受けられたりできず、支援が必要だという声も上がっている。
上海で新型ウイルス検査によって陽性と判明した人は、無症状であっても、集団検疫所として改造された倉庫や展示ホールで生活することになるが、ここでの基本的な生活環境に不満を漏らす人もいる。万博会場に隔離されたあるジャーナリストは、トイレは仮設のものがあるだけで、シャワーもないとツイッターに投稿した。

上海市当局は、企業に対して一連の救済措置を計画していると述べたほか、住民の医療ニーズに対応すると強調。その上で、ロックダウンへの理解を求めた。
30日の朝には、検査対策の詳細を記した声明が発表されたが、「最後に、皆様のご理解、ご支援、ご協力に改めて感謝申し上げます」という言葉で締めくくられていた。









