英イングランド、教室でのマスク着用再開へ 感染広がる中での新学期

Pupils in masks

画像提供, PA Media

画像説明, 英イングランドの中学校や高校では前学期、学校の廊下でのみマスクの着用が推奨されていた

イギリス政府は2日、イングランドの中学校・高等学校について、教室内でのマスク着用を再び求めると発表した。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大を防ぐため。

イングランドでは、新学期に対面での授業を続けられるかどうか懸念が広がっていた。今回の一時的な措置は、その解決策として提示された。

こうした中、イギリスの6つの教員労組は、感染を抑える緊急対策を施すよう共同声明を発表。対策を強化しなければ、年度末の卒業試験が危険にさらされると警告した。

さらに、空気清浄機の導入や、代理出勤への金銭的支援、学校でのウイルス検査実施、監督機関オフステッドの検査体制の緩和などを求めた。

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イギリスでは3日の週から、クリスマス休暇が明けて新学期が始まるが、生徒は登校時に新型ウイルス検査を受けることが要求されている。

イングランドはこれまで、イギリス国内で唯一、教室内でのマスク着用が推奨されていなかった。一方で、新しいルールでは教員には着用は義務付けられていない。

ただし、一部の学校や地域ではすでに、教室内でのマスク着用を独自に求めていた。また、昨年3月8日~5月17日の期間には、イングランドでも校内でのマスク着用が推奨されていた。

「第一の優先事項」

ナディム・ザハウィ教育相は会見で、教室内でのマスク着用は1月26日までの一時的な措置だと説明した。

これは、現在イングランドで適用されている感染症対策「プランB」の期限と同じ。ただし、政府は4日にもこの対策の再検討することになっている。

ザハウィ氏は、首相と自分にとって教育分野が「第一の優先事項」だと述べ、混乱を最低限に抑えるために「あらゆる手を使う」と話した。

政府は新学期に向け、学校や大学などに空気清浄機7000基を導入する予定だとしている。

政府の統計ではイングランドには合わせて2万4400校以上の学校があるが、空気清浄機が必要になるのは扉や窓を開けても換気が十分でない場所だけだと、教育省は説明している。

空気清浄機が導入される学校の選定手続きは、間もなく教育省から発表される予定。

教育現場からの共同声明

前学期末の教育現場では、オミクロン株の急速な流行を受け、教職員の欠勤や感染率の急上昇がみられた。このことから、教育の場がさらに妨害されるとの懸念が広がっている。

イングランドとウェールズ、北アイルランドの4つの主要教職員労組と、全国都市一般労組(GMB)、そして公務員労組ユニゾンは、学校を支援する緊急対策を取るよう求める共同声明を発表した。

イギリスでは過去2年にわたり、パンデミックによって中等教育修了一般資格(GCSE、高校卒業試験に相当)やAレベル(大学入学試験に相当)といった試験の実施に弊害が出ている。共同声明では、こうした事態が3年目に突入するのを避けるべきだと指摘。先行きが不透明な状態から脱却し、教職員や生徒への負荷を取り除いてほしいと訴えた。

また、教室内でのマスク対策は「遅すぎる」と批判。空気清浄機の導入は歓迎するが、「教室への適切な換気システムの導入は早い者勝ちに限定されるべきではない」と指摘した。

最大野党・労働党のウェス・ストリーティング影の保健相は、マスク着用をめぐる決定に「大喜び」はできないが、子供たちが学ぶ機会を奪われるよりはましだと述べた。

一方で、ラテラルフロー検査の供給問題が学校に負担をかけていると指摘し、政府に学校での検査の「かじを握るよう」求めた。

その上で、空気清浄機の件も含めて政府の発表した対策は十分ではなく、「新学期が始まる前に忙しさをアピールしているだけに見える」と述べた。