クリスマスの移動に混乱 オミクロン株の影響でフライト数千便がキャンセル

Travellers push their luggage past baggage claim inside Los Angeles International Airport

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画像説明, クリスマスの時期には大勢の移動がつきものだが、今年はオミクロン株の影響で多くのフライトがキャンセルされた(資料写真)

新型コロナウイルスのオミクロン変異株の影響で、多くの旅客機のフライトがキャンセルされ、クリスマスに伴う大勢の移動に影響が出ている。

民間旅客機の飛行状況をまとめるサイト「FlightAware」によると、25日には2400便近いフライトがキャンセルされた。

クリスマスイブの24日には米航空各社が、乗務員が新型コロナウイルス陽性になったり、自主隔離を余儀なくされたりしている影響で、人員不足の状態に陥っていると明らかにした。24日にはユナイテッド航空とデルタ航空だけでも、200以上のアメリカ国内便を欠航にした。

ユナイテッド航空は、オミクロン株の感染者増加が「私たちの乗務員や運航担当に直接影響」していると述べた。欠航になった便の乗客には、空港へ向かう前に時間に余裕をもって欠航を知らせるようにしているという。

「Cancelled(欠航)」の文字が並んだ米サンフランシスコ国際空港の表示(24日)

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オーストラリアでも24日、100便以上の国内便が欠航となり、クリスマスのために移動しようとした数千人に影響が出た。多くの便が欠航となったジェットスター社の広報担当は、影響を受けた乗客の「大多数」について、「クリスマスには目的地にたどり着けるよう」、当初の出発時刻から数時間遅れの便に予約を取り直すことができたと説明した。

オーストラリアではパンデミックの影響で、州の境を越えた移動が認められるのは2年ぶり。それだけに今年のクリスマスは国内移動が可能だと、多くの人が楽しみにしていたとされる。

一方、米政府は24日、オミクロン株の水際対策として南アフリカなどアフリカの8カ国からの入国を11月29日から禁止していたが、これを12月31日に解除する方針を発表した。

イギリスでは鉄道会社クロスカントリーの労組がクリスマスイブのストライキを実施したため、移動に混乱が出ている。同労組は大みそかにもストを予定している。

ベツレヘムの聖カテリナ教会でキリストの生誕を祝うミサが開かれた(25日)

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画像説明, ベツレヘムの聖カテリナ教会でキリストの生誕を祝うミサが開かれた(25日)

イエス・キリストの生誕の地とされているパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のベツレヘムでは24日深夜から25日未明にかけて、ミサが行われた。イスラエル政府がオミクロン株の影響で外国人の入国を禁止しているため、パンデミック以前のように外国からも大勢の信者が集まることはなかった。

キリスト教カトリック教会のローマ教皇フランシスコは24日夜、ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂でクリスマスイブのミサを執り行った。

各地で増える感染

Europe cases

オミクロン株の病原性はこれまでの他の変異株より低く、感染・発症しても軽症で済むことが多いと当初から言われているが、専門家は感染者の急増を懸念している。

米紙ニューヨーク・タイムズの集計によると、アメリカでは1日の新規感染者数が26万5000人を超え、今年8~9月のデルタ株による感染者数を超えた。7日間平均の感染者も18万人を超え、デルタ株による9月初めのピークを越えた。このため各地の病院は入院を必要とする重症者であふれるようになった。

「何百万、何千万、何億もの人が一度に一斉に具合が悪くなれば、そのほんの一握りが来るだけでも病院は対応できなくなる」と、ミシガン大学の内科医ハリー・プレスコット医師はニューヨーク・タイムズに話した

アメリカの感染症対策のトップ、アンソニー・ファウチ博士は19日、米NBCの番組などで、ワクチン接種を2回受けていてもクリスマスで人の移動が増えればオミクロン株はこれまで以上に広がる恐れがあると述べた。博士は一方で、ワクチン2回と追加接種を受け空港や機内など混雑した場所では常にマスクをしていれば大丈夫だろうとも述べ、ワクチン接種と追加接種を受けるよう強く促した。

ボリス・ジョンソン英首相はクリスマス前の挨拶で、「お互いへの思いやり」として新型コロナウイルスワクチンの追加(ブースター)接種を受けるよう呼びかけた。

「プレゼントを買う時間はなくなりつつあるが、自分の家族とこの国全体に素晴らしいものがまだ上げられる。それはあなたがワクチンを受けることです。1回目だろうと2回目だろうとブースターだろうと」と首相は述べた。

ジョンソン政権はクリスマス前の感染対策強化を実施しなかったが、国内ではスコットランド、ウェールズ、北アイルランドの各自治政府が、大勢が集まりクリスマスや新年を祝うことについて規制を強化した。

イタリア、スペイン、ギリシャでは屋外でもマスクの着用を再び義務化した。スペイン北部カタルーニャは夜間外出禁止令を出し、オランダは厳しいロックダウンに入っている。

多くの欧州諸国はクリスマス直後から規制強化の方針で、ドイツは12月28日から個人的な集まりを最大10人に制限する。サッカーの試合は無観客になる。

ポルトガルは、バーやナイトクラブに12月26日からの休業を命令したほか、同日から1月9日まで在宅勤務を義務化した。