欧米5カ国首脳、ロシアにウクライナ情勢の緊張緩和求める 侵攻の懸念

Ukrainian serviceman on the front line in Donetsk

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画像説明, ドネツクの前線にいるウクライナ兵

欧米各国の首脳はロシア政府に対して、ウクライナ情勢の緊張緩和を求めている。さらに、ロシア政府からの脅威についてウクライナ政府を支援する姿勢を示している。西側首脳は6日夜に緊急電話会議を開いた。

米ホワイトハウスによると、米英仏独伊の5首脳は電話会議でウクライナ情勢を協議し、「ロシアによる軍備増強に対する共通の懸念」について話し合った。ロシアのウクライナ侵攻を防ぐため「あらゆる手段を尽くす」と確認したほか、もしロシアがウクライナを侵攻するような事態になれば、5カ国が共同で「ロシア経済に重大で深刻な打撃を与える」合同戦略をまとめ上げたという。

英首相官邸は、首脳5人は「ウクライナ領土の一体性を断固として支持すると、再確認した」と説明した。

ジョー・バイデン米大統領は7日にも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とビデオ会談する予定。

ロシアはこのところウクライナの国境周辺に兵数万人を集めるなど、軍備を増強させていると言われており、侵攻の懸念が高まっている。

一方のロシア政府は、ウクライナを侵攻するつもりなどないと反論し、むしろ西側諸国が挑発していると批判している。

クリミアや東部ドンバスの兵力増強

ロシアはクリミア半島を中心に、ウクライナ国境付近に数万人の兵を集めているとされる。ロシアは2014年にクリミア半島をウクライナから併合した。

クリミアのほかにも、ウクライナ東部で親ロシア勢力が占領するドンバス地方(ドネツク州とルハンスク州の一部)の近くにも、ロシア軍が集結している。

ウクライナ政府関係者は、ロシアが来年1月末に大規模侵攻を計画しているかもしれないと、警戒を強めている。

一方でロシア政府は、緊張をあおっているのは西側諸国の「好戦的で敵対的な発言の数々」だと反発している。

ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、バイデン米大統領がウクライナについて何を提案するのか、プーチン大統領は「傾聴する」ことになると述べた。さらに報道官は、「緊張緩和の方法はひとつしかない。ウクライナ政府がドンバス問題の武力解決を意図しているかもしれない中で、いかにそうならないようにするか、その保証の方法を理解しなくてはならない」と話した。

Eastern Ukraine map
画像説明, ウクライナ(Ukraine)とロシア(Russia)、クリミア半島(Crimea)の位置関係。青色が、親ロシア勢力が支配する「ドンバス地方」

アメリカは金融制裁を検討か

ロシアがウクライナを実際に侵攻した場合、アメリカ政府がどう対応するかについて、ロシアの銀行が国際決済システムを使えないようにするなど、金融制裁が主な対応になるのではないかと米メディアは報じている。米政府関係者は、武力による対応は計画していないと話しているという。

米国務省のネッド・プライス報道官は6日の定例会見で、米政府の対応はロシアの出方によると話した。

「もし、ロシアが緊張緩和をしないと選択するなら、もしロシアがウクライナへの軍事侵攻や、ウクライナを軍事的に攻撃すること、あるいはウクライナの主権やその独立、領土の一体性を侵害するため、策定したかもしれない計画をそのまま遂行するならば、我々と同盟諸国は行動する準備ができているはずで、断固たる行動をとる準備ができているはずだ」と、報道官は述べた。