ロシア国防相、ウクライナ国境付近の部隊撤収を指示

画像提供, Russian ministry of defence
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は22日、ウクライナ国境付近に数週間にわたり集結させていたロシア軍部隊に対し、5月1日までに基地へ撤収するよう命じた。ウクライナ東部ではウクライナ軍と分離独立派が衝突しており、ロシアは国境警備を増強していた。
クリミア半島でのロシア軍の演習を視察したショイグ国防相は、部隊は演習後に基地へ戻ると述べた。
そして、「抜き打ちチェック」という目的は達成したと付け加えた。
ショイグ氏は「(ロシア)部隊は国のための確かな防御能力を発揮した」とした上で、第58軍と第41軍および複数の空挺師団の司令官に対し、23日から恒久基地への帰還を開始し、5月1日までに帰還を完了するよう指示したことを明らかにした。
欧州連合(EU)はロシア兵10万人以上がウクライナ国境付近と、2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島に集結していると推定していた。
先に紛争地帯での会談をロシアのウラジーミル・プーチン大統領に持ちかけた、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国境での緊張状態を「引き下げる」ロシア側の決定を歓迎した。
<関連記事>
ゼレンスキー氏は先週、欧州の指導者たちに部隊の増強を提案していた。ウクライナ軍の司令官ルスラン・コムチャック氏は、ロシア軍の部隊がロストフやロストフやブリャンスク、ヴォロネジの各地域とクリミア半島に前進し、大規模な戦術部隊が国境に駐留していると主張していた。
ショイグ氏の発表を受け、北大西洋条約機構(NATO)は、緊張緩和に向けた動きはどのようなものも「重要で、遅すぎたほど」だと述べ、ロシアとウクライナの状況を警戒し続けると付け加えた。
NATOは6月に首脳会談を予定しており、ロシアについて大きく議論が交わされる見通し。
ロシアは今回の部隊増強について、NATOの「脅威的な」行動に対応するための訓練だったとしているが、外国船が航行できないように黒海周辺の封鎖も計画しているとされる。ウクライナは自国の港が影響を受けかねないと懸念している。
プーチン氏は21日の年次報告演説で、西側諸国に「越えてはならない一線を越えないよう」警告した。
部隊の撤収命令が出された後、プーチン氏は記者団に対し、「ウクライナ大統領を、彼にとって都合の良い時にいつでも迎え入れる用意がある」と述べた。
ただ、ゼレンスキー氏がウクライナ東部について議論したいなら、まずは現地の指導者と面会すべきだと強調した。
ウクライナ東部で何が
ウクライナ東部での紛争は、ロシアによる一方的なクリミア併合後の2014年に勃発した。ロシアが支援する部隊はルガンスクとドネツクの広い範囲を占領し、ルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国を設立した。
ここ数週間、東部での停戦違反が相次いでいる。22日には砲撃を受けたウクライナ軍兵士が致命的なけがを負った。この攻撃について、ウクライナ軍は意図的な停戦違反だと主張している。
同地域の紛争で、これまでに約1万4000人が死亡している。


BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・モスクワ特派員は、ウクライナ国境付近でのロシアの動きについて、「ロシアは一貫して、軍事演習に過ぎないと話していたが、自分たちの部隊の動きにウクライナや欧州やアメリカの大勢が緊張していると承知していたし、それこそが狙いだったのだ」と解説する。
「ロシア政府は国境付近での部隊増強を通じて、ウクライナやEU、そして特にワシントンに向けて、ロシアを重視するよう合図を送っていたのかもしれないし、実際にジョー・バイデン米大統領はこれに気づいた。現に先週、プーチン大統領に電話をして、首脳会談を提案したのだ」と、ローゼンバーグ記者は指摘している。











