ジョンソン英首相、国の再建に向けた経済政策を発表 格差是正を約束

Boris Johnson

画像提供, PA Media

イギリスのボリス・ジョンソン首相は6日、マンチェスターで開かれた与党・保守党の党大会で演説し、国の統一と平準化のための「仕事に取り掛かる」と約束した。

ジョンソン首相はジョークを交えた明るい演説を展開したが、提示された新たな政策は少なかった。首相はイギリスの欧州連合離脱(ブレグジット)とパンデミックの影響で、高賃金・高スキルの経済が生まれていると主張した。

また、英国民保健サービス(NHS)の費用負担のための増税を擁護し、社会保障制度の改善を誓った。

ジョンソン氏は45分間の演説の中で、2019年の総選挙で保守党が圧倒的な勝利を収めたことで、自身の政権は有権者が求める変革を実現する責任を負っていると述べた。

演説のメインテーマは「平準化」で、地域間格差を是正することでイングランド南東部への負担を軽減するとともに、置き去りにされていると感じている地域を活性化すると、ジョンソン氏は述べた。

「国の一部の地域の住民が、地理的に他の地域よりも貧しくなる運命におかれる理由などない」

「才能や天性、ひらめき、想像、熱意、これらは全てこの国に均等に存在している。しかし、それを生かす機会は均等ではない」

また、犯罪の取り締まりや交通網・ブロードバンドの整備、住宅市場の改革などに取り組むと繰り返した。

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NHSやソーシャルケアのために国民保険料を引き上げる計画については、パンデミックのような「隕石」が経済を直撃した場合に、マーガレット・サッチャー元首相もそうしただろうと主張し、不安を抱える保守党員を安心させようとした。

イギリスはインフレ率の上昇やサプライチェーンの問題、ガソリンや労働者不足に直面している。

しかし、ジョンソン氏は現在起きている問題は、新型ウイルスの拡大による操業停止からの景気回復の結果だと主張した。

移民規制については、2016年のブレグジットに関する国民投票で「人々が支持した変化」を表しているとした。

数学や科学の専門家の採用に苦慮しているイングランドの一部地域に対しては、教師に年間3000ポンド(約45万円)のボーナスを支給すると発表した。この政策は、最近廃止された全国規模の同様の制度に取って代わるもの。

首相官邸によると、「レベリング・アップ(平準化)プレミアム」政策には6000万ポンド(約90億9000万円)のコストがかかるとしているが、対象地域の詳細は明らかにされていない。

野党などの反応は

労働党のサー・キア・スターマー党首は、ジョンソン氏が「月から降り立ったばかりのようなふりをして、周囲を見渡して『このあたりの状況はかなりひどい、少し平準化する必要がある、本当にひどい状況だ』と言っているようなものだ」と非難した。

スターマー氏は英ITVの番組で、「ジョンソン氏と保守党は11年間にわたり政権を維持し、彼らがこの国を統治してきたからこそ、我々はこのような状況に置かれている」と述べた。

英産業連盟(CBI)は、ジョンソン氏が「説得力のあるビジョン」を示したとしつつ、これまでのところ、賃上げについては「野心を述べただけ」だとした。

英商工会議所(BCC)トップは、企業側は高賃金・高スキルの経済を目指すことを支持しているものの、「一夜にして実現できるものではない」と警告した。