英ガソリン危機、ロンドンやイングランド南東部の一部でなお続く

画像提供, Reuters
英石油小売協会(PRA)は4日、ロンドンやイングランド南東部ではガソリンスタンドの5軒に1軒がなおガソリン不足に見舞われていると発表した。
それ以外のイギリス各地では「安定した供給」によって「素晴らしい改善」がみられると述べた一方、イングランド南東部の状況は「なお厳しい」としている。
ガソリン不足が解消された地域では、全国400カ所でガソリンスタンド網を展開するEGグループが、1回につき代金30ポンドまでの購入制限を撤廃した。
同グループも、イングランド南部以外では営業が通常通りに戻っているとしている。その上で、イギリス軍の供給支援により、残りの供給問題も「数日以内に」緩和されるだろうと予測した。
全国的なガソリン不足を受け、陸軍と空軍の兵士約200人がガソリンの輸送作業に従事している。
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PRAによると、ロンドンやイングランド南東部のガソリンスタンドの62%で、現在イギリスで供給されている2種類のガソリンの両方が購入可能となった。一方、18%では片方の種類のみ提供しており、20%はどちらも枯渇していると答えた。
それ以外の地域では、2種類とも購入できるガソリンスタンドが86%、片方のみが6%、枯渇が8%となっている。
PRAには、国内8300軒のガソリンスタンドのうち5500店舗が加盟している。
ガソリン不足を受け、買い占め騒動や長蛇の列が起きる前に軍による支援を開始しなかったとして、政府に批判が集まっている。
政府の計画では、まず燃料輸送の技術を持つ運転手65人が投入され、その後、運転手100人を含む英兵200人近くが派遣される予定。
この計画は流通会社ホイヤーが受託し、軍の運転手に安全手続きや設備の扱いの再教育を行っているという。
政府の報道官は、「運転手の半数以上が訓練を終え、ロンドンとイングランド南東部のターミナルへ派遣された」と説明した。
今回のガソリン危機は10日以上前、BPが展開するガソリンスタンドが供給不足に見舞われたことで始まった。これを受けていつもより多くガソリンを購入する人が増え、需要に追い付かなくなった。
石油小売や食品会社など、イギリスではさまざまな産業がトラックの運転手不足に悩まされている。輸送業界は、新型コロナウイルスのパンデミックやブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)、労働者の高齢化、税制の変更などが原因だと指摘している。

イギリスのガソリン危機を時系列で見る
- 9月23日:石油大手BPが、タンクローリーの運転手不足を理由にいくつかのガソリンスタンドを一時的に閉鎖
- 9月25日:ガソリンスタンドの前に長蛇の車の列ができる日が続き、ガソリンが枯渇するスタンドも出てくる中、政府は5000人の外国人運転手に12月25日までの一時就労ビザ(査証)を発行すると発表
- 9月27日:ガソリンが枯渇したスタンドへの供給を支援するため、英陸軍が待機
- 9月28日:ボリス・ジョンソン英首相が、ガソリンスタンドの状況は「安定しつつある」と発言。PRAも改善の「兆しが見える」と述べた
- 10月2日: イギリス全土で「大きな改善」が見られたものの、PRAは、ロンドンとイングランド南東部ではなおガソリン不足が続いていると発表
- 10月4日:陸軍の運転手が供給支援を開始









