英大使、首都カブールからの脱出は順調と

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イギリスの駐アフガニスタン大使による、在留イギリス人および対象となるアフガニスタン人の首都カブールからの避難計画が順調に進んでいる。8月13日以降、すでに6000人近くが同市から脱出した。
カブールに駐留しているサー・ローリー・ブリストウ大使によると、14時間で1000人が出国した日もあったという。
一方カブールの空港近辺では混乱が続いており、英政府によると、21日にはアフガニスタン市民7人が死亡した。
カブール空港を管理している米軍の撤収期限は8月31日だが、避難活動を続けられるよう、イギリス政府などはアメリカに、駐留延長を要求している。
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英国防省は、これまでに5725人を避難させたと発表した。うち3100人はアフガニスタン人とその家族だという。
カブールの英避難センターから動画を発信したサー・ローリーは、兵士や外交スタッフ、入国管理局職員などこの計画を支援している人々を称賛した一方で、「まだやるべきことは山ほどある」と説明。「職員たちの行いをとても誇りに思っている」と語った。
イギリスのジェームズ・ヒーピー国防閣外大臣は、カブール空港では現在、タリバンが群衆を整列させ、出国希望の手続きを早めていると述べた。
ヒーピー氏によると、タリバンがアメリカとイギリスの出国列を管理しており、「きょうの列は前より速やかに進んだ」、「大きな違いが出た」という。
その上で、出国を指示されている人、名乗り出てほしいと呼びかけた。
カブールではイギリス市民は出国手続きのためにバロン・ホテルに集まるよう指示されているが、暴力や混乱が生じている状況下で、多くの人がたどり着けずにいるという。
アメリカのジョー・バイデン大統領を含む主要7カ国(G7)首脳は24日にもオンライン会議を開き、状況を協議する予定。
首脳会議を要請したボリス・ジョンソン英首相は、「国際社会が協力し、避難の安全の確保や人道危機の回避、そしてアフガニスタン国民が過去20年で獲得してきたものを守る手助けをすることが重要だ」と述べた。
英首相官邸によると、ジョンソン首相は22日、カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長と会談。アフガニスタン国民を支援し続けること、人道支援を国際社会が全面的に負担することなどで合意した。
避難のため駐留延長も視野に
アメリカは米軍部隊の撤退期限を今月31日に設定しているが、バイデン大統領は避難支援のため期日以降も部隊が残るとの見方を示している。
イギリスのヒーピー国防閣外相は、全てのイギリス市民を避難させられると確証はできないものの、1日ごとにその能力は拡大しており、他国も参加してくれているという、閣僚らの発言を繰り返し強調した。
その上で、アメリカが駐留を延長すれば、イギリスも市民の避難を続けられる機会があると述べた。
ただし、期限が延長されなくても、大使館や難民キャンプに設置した事務所などを通じて、イギリスへの移住プログラムにアクセスすることは可能だと説明した。
ベン・ウォレス国防相は22日付のメイル・オン・サンデー紙への寄稿で、アメリカが駐留延長を決めればイギリスは全面的に支援すると発表。しかし大勢を避難させるには「無駄できる時間はない」と警告した。

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2006年にアフガニスタンの国際駐留軍を率いていたデイヴィッド・リチャーズ英陸軍大将はBBCのラジオ番組に出演し、駐留部隊が8月末以降もとどまることで救える命があることは「疑いがない」と話した。
リチャーズ卿はまた、国連は早急に人道的介入を行うべきだと述べた。
20年前にイギリス軍のアフガン派遣を決めたトニー・ブレア元首相は、イギリスには「必要のある人全員が避難するまで」アフガニスタンに駐留する「道義的な責務」があると語った。
ブレア氏は自身のウェブサイトで、国際部隊の撤退を世界中のジハーディスト(イスラム聖戦主義者)組織が歓迎するはずだと指摘。アメリカ軍の撤退は「悲劇的で、危険で、不要」な決断だったと批判している。









