米政府、アフガン退避に民間機の協力を命令

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米政府は22日、タリバンが権力を握ったアフガニスタンからの緊急避難に、民間機を利用する方針を明らかにした。
米国防総省が同日、退避を促すためとして、緊急時に政府が民間機を動員できる民間予備航空隊(CRAF)の活用を発表した。民間機18機で、人々をアフガニスタン国外の安全な場所に運ぶ。
CRAFは直近では、2003年の米軍によるイラク侵攻の際に利用された。1990~1991年の湾岸戦争でも活用された。
同省によると、CRAFのレベル1の段階では、ユナイテッド航空の4機、アメリカン航空、アトラス航空、デルタ航空、オムニ航空から各3機、ハワイアン航空の2機の計18機が対象となる。
CRAFを活用することで、軍用機はカブールからの離発着に専念できるようになるという。
ジョー・バイデン大統領は22日、「民間予備航空隊は(避難民の)第三国への安全な移動を支援する」と説明。「(民間機は)カブールには着陸しない」とした。

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カブール空港付近には、タリバンが今月15日に権力を握って以降、何とか国外に脱出しようとする何千人ものアフガニスタン人らが押し寄せている。
バイデン大統領は、同国が過去1週間で2万8000人近くを退避させたと述べた。
バイデン氏はホワイトハウスで記者団に、「つらい思いなくして、映像で目にしてきたような悲しい状況なくして、これほど大勢を避難させるのは、不可能だ」と述べた上で、「先はまだ長いし、間違いにつながりかねないことはまだたくさんある」と付け加えた。
また、避難民らの審査などの手続きを進める施設を、20カ国以上に設置したと明らかにした。
「私たちは、アメリカを助けてくれたアフガンの人たちを、新しい定住地へ歓迎する。アメリカはそういう国だからだ」
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北大西洋条約機構(NATO)関係者がロイター通信に語ったところでは、カブール空港の外に数千人が押し寄せる中、少なくとも20人がこれまでに死亡した。一部報道では、圧死する人々がいたとされる。
22日の状況は、それまでより落ち着いたものだったと伝えられている。
一方、アメリカのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、アフガニスタンにまだ数千人の米国民が残っているとみられると明らかにした。
サリヴァン氏は米CNNの22日の番組で、正確な人数は示せないが、退避活動が続いていると話した。
また、武装集団イスラム国(IS)がカブール空港を攻撃する恐れについて、「現実的」で「喫緊」のものだと述べた。
責任は米国にあると非難
イギリスのジェームズ・ヒーピー国防閣外大臣は、カブール空港では現在、タリバンが群衆を整列させ、出国希望の手続きを早めていると述べた。
英国防省は22日、今月13日以降で英政府が5725人を退避させたと明らかにした。
イギリスは軍人1000人以上をカブールに派遣している。
他方、タリバン幹部のアミール・カーン・ムタキ氏は22日、カブール空港における「退避劇」の責任はアメリカにあるとして、同国を非難した。
ムタキ氏はまた、タリバン内部で不満が高まる可能性があると指摘。「一部の決定」は、アフガニスタンにおけるタリバンの運動とその役割の「長期的利益を考えてなされている」と主張した。
さらに、タリバンは今後の政府をめぐって合意に至れるよう、「すべての派閥」と協議を進めていると述べた。
英首相がG7会談を要請
タリバンが短期間でアフガニスタンを掌握した衝撃は、世界に広がっている。
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、主要7カ国(G7)指導者による緊急会議を24日に開くよう要請した。
ジョンソン氏はツイッターで、「国際社会が一致して、安全な退避を保証し、人道危機を防ぎ、アフガンの人々が過去20年間で手にしたものを守るのを支援することが重要だ」と訴えた。
イギリスのトニー・ブレア元首相は、アメリカのアフガン撤退を厳しく批判。「世界を見回すと、今回の決定を心から喜んでいるのは、西側諸国の利益に敵対的な人たちだけだ」とブレア氏は述べた。
アメリカは米軍部隊の撤退期限を今月31日に設定しているが、延長するよう圧力がかかっている。バイデン氏は延長について協議しているとしたが、「その必要がないことを願っている」と述べた。
米軍のアフガニスタン撤退をめぐっては、米軍が現在、カブール空港を管理下に置いていることから、イギリスなどいくつかの同盟国が期限の延長を求めている。










