バイデン米大統領、アフガニスタン撤退は「後悔していない」

Displaced Afghans arrive at a makeshift camp from the northern provinces desperately leaving their homes behind on August 10, 2021 in Kabul, Afghanistan.

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画像説明, 戦闘から逃れ、首都カブールに集まった人々が即席のテントで生活している

アメリカのジョー・バイデン大統領は10日、アフガニスタンからの米駐留軍撤退を後悔していないと述べた。アフガニスタンでは反政府組織タリバンが攻勢を強め、複数の州都を占領している。

ホワイトハウスでの記者会見でバイデン大統領は、アフガニスタン首脳らに向けて、団結して「国のために戦う」よう呼びかけた。

また、空域からの支援や軍人らへの給料の支払い、食料や設備の供給など、アフガニスタン政府軍への支援を続けていると述べた。

その上で、「アフガニスタンは自分たちのために戦わなければならない」と話した。

20年にわたり駐留していたアメリカ軍や外国部隊が撤退を開始して以降、タリバンは国内で急速に支配地域を拡大。これまでに全34州のうち8州の州都を制圧した。

国連によると、ここ1カ月で、タリバンと政府軍の戦闘で民間人1000人以上が亡くなった。国連児童基金(ユニセフ)は今週に入り、未成年に対する残虐行為が「日増しに増えている」と警告した。

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新たに2州都を占領

タリバンは10日、西部ファラー州ファラーと、北部バグラーン州プレ・クムリーの2つの州都を手中に収めた。

首都カブールから200キロの地点にあるプレ・クムリーでは、タリバン戦闘員が市街地の中央広場と市庁舎にタリバンの旗を掲げた。

BBCが取材した現地のジャーナリストや市議会員によると、ファラーも同様に占領された。

9日には、北部の要衝クンドゥーズを占領。人口27万人のこの都市は、鉱山資源が豊富なアフガニスタン北部の玄関口として知られているほか、首都カブールを含む大都市や、タジキスタンとの国境地域などとつながっており、戦略上も重要な場所に位置している。また、タジキスタン国境はアフガニスタン産のアヘンやヘロインの密輸ルートにもなっているという。

このほか、アフガン各地で激しい戦闘が続いており、米軍やアフガン政府軍の空爆も行われている。

タリバンは停戦を拒否

こうした中、何千人もの市民が家を追われている。

クンドゥーズを離れたある女性はAFP通信の取材で、「刑務所の近くに死体が倒れていた(中略)そばには犬がいた」と語った。

同市では、政府軍が空港を奪還した後、タリバンの矛先が政府軍に集中したため、市内の店舗が営業を再開しているという。

「店や会社が再開しているが、人々の目には恐怖がうかがえる」と、別の住人は話した。

国際社会からは停戦を求める声が出ているが、タリバンはこれを拒否している。

イギリス国防参謀長陸軍大将のサー・ニック・カーターはBBCの取材で、アフガニスタンの統一性が失われれば、国際テロ組織や過激派武装組織にとって「理想的な条件」が整ってしまうと指摘した。