プーチン氏とプリゴジン氏の会談、「小説より奇なり」 BBCロシア編集長
スティーヴ・ローゼンバーグ、BBCロシア編集長

画像提供, EPA
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、雇い兵組織「ワグネル」の反乱の5日後に、同組織トップのエフゲニー・プリゴジン氏と会っていたと、大統領府が明らかにした。BBCのロシア編集長が、ワグネルをめぐる新たな展開を検討した。

整理しよう。
ワグネルは、ロシアの首都モスクワにあと約200キロという地点まで部隊を進めた。この時点で、大統領府とワグネルは取引をした。反乱は終結。誰も拘束されなかった。訴追された人もまだゼロだ。
プリゴジン氏は反乱を起こしたにもかかわらず、足かせをはめられ警察署に連行されなかった。それどころか、反乱5日後にはワグネル指揮官らとともにクレムリンにいた。そこでテーブルを囲んで座り、プーチン氏とおしゃべりしていたというのだ。
予想外の展開と謎だらけで、その点においてはただでさえドストエフスキー作品以上だったワグネルの物語に、もうひとひねりが加わった。
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だが、プーチン氏とプリゴジン氏の会合で一体どのような発言があり、どういう結論に至ったのかは不明だ。その後の経過からすると、「キスして仲直り」ではなかった。
ロシア国営メディアは最近、プリゴジン氏の信用を失墜させようと必死だ。
プリゴジン氏のサンクトペテルブルクの邸宅が家宅捜索された際に撮影されたとされる数々の写真が、ソーシャルメディアやロシアのテレビに流出した。見ようによってはプリゴジン氏にとって決まりの悪い内容で、そこには金の延べ棒や武器、そして奇妙なことに、たくさんのかつらが写っていた。
国営放送局ロシア1はつい先日の夜も、看板番組「ニュース・オブ・ザ・ウィーク」でプリゴジン氏の人格攻撃を続けた。
「まるでロビンフッドのような義賊のふりをしたがったが、実際には全く違う。犯罪歴のあるビジネスマンだった。彼のプロジェクトの多くはいかがわしく、必ずしも法律の範囲内ではなかった」。番組はプリゴジン氏について、そう伝えた。
今回の反乱を終わらせるために大統領府とワグネルが合意した取り決めは、どうなっているのか? 取り決めでは、プリゴジン氏はロシアを出てベラルーシに向かうことになっていた。希望するワグネル戦闘員らは同行できるとされていた。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は6日、プリゴジン氏とワグネル戦闘員らはベラルーシにはいないと述べた。ルカシェンコ氏の話を要約すると、プリゴジン氏とワグネルはベラルーシに落ち着くかもしれないが、そうならないかもしれない――ということらしい。
ということで、これですべてがはっきりした……わけはない。
ワグネルはどこに行ったのか? プリゴジン氏はどこいるのか? 彼らは何を計画しているのか? プーチン氏とどんな合意をしたのか?
ぜひ知りたいものだ。
いま私に言えるのは、次の(奇想天外な内容になることは必至の)「ロシア:6月の反乱とクレムリン」のエピソードをお見逃しなく――ということだけだ。










