プリゴジン氏はロシアにいるとベラルーシ大統領 自宅捜索とされる映像、ロシアで放送
サラ・レインズフォード(ポーランド・ビャウィストク)、トーマス・マッキントッシュ(ロンドン)、BBCニュース

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ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は6日、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏について、ベラルーシではなくロシアにいると話した。プリゴジン氏は先月、ロシアで短期間に終わった反乱を主導した。
プリゴジン氏は反乱以来、所在不明となっている。
反乱を終わらせるための合意では、プリゴジン氏は訴追されない代わりに、ベラルーシに移動するとの案が出された。
しかし、ベラルーシのルカシェンコ大統領はこの日、「プリゴジンは(ロシアの)サンクトペテルブルクにいる。ベラルーシ領内にはいない」と述べた。
この説明に対してクレムリン(ロシア大統領府)は、プリゴジン氏の動向を「追跡しているわけではない」とした。
ルカシェンコ氏は、反乱の終結で取引を仲介。1週間ほど前には、プリゴジン氏のベラルーシ到着を発表していた。
BBCは、プリゴジン氏の個人ジェット機が6月下旬にベラルーシへ向かい、同日夜にロシアに戻ったのを確認していた。
同機はその後、サンクトペテルブルクとモスクワを数回往復した。プリゴジン氏が乗っていたかは不明。プリゴジン氏の現在の居場所に関するルカシェンコ氏の説明が正確なのか、BBCは確認できていない。


ルカシェンコ氏はさらに、「私の知る限り」と前置きして、ワグネル戦闘員の残りはまだ拠点にとどまっていると述べた。これはウクライナ東部か、ロシア南部クラスノダール地方の訓練施設を指しているとみられる。
ルカシェンコ氏はまた、ワグネルの戦闘機がベラルーシに駐留することを認める案は、まだ有効だと説明。ベラルーシにあるソヴィエト連邦時代の軍事施設を提供するとした。これには、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する近隣国が警戒感を示している。

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ルカシェンコ氏は、「ワグネルには別の展望がある」、「もちろん、私がその中身について話したりしない」として、「いまのところ、ワグネルの移転問題は解決していない」と話した。
ルカシェンコ氏はさらに、ワグネルをベラルーシに受け入れることに不安はないと表明。「特定の条件」が整えば、ベラルーシに駐留するだろうとした。
そして、「主な条件は、私たちの国防のためにワグネルを活動させる必要が生じた場合、即座に、すべての方向に対して行われるということだ」と、ワグネルの「経験」を称賛しながら述べた。
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ワグネル主導の反乱がベラルーシで起こる可能性については、脅威は感じていないとして、こう話した。
「人生ではいろんなことが起こるが、今のところそのような状況になるとは思えない」
「もしワグネルがここへ来たら、我々はその動向を注視することになる」
ルカシェンコ氏は1994年からベラルーシを統治している。2020年の大統領選挙では、政権維持のために不正をしたと広く考えられている。
ロシア放送局がプリゴジン氏を批判
ロシアでは5日、国営テレビがプリゴジン氏に矛先を向ける動きがみられた。コメンテーターらがワグネルの反乱を、計画的な裏切り行為だと非難した。
放送局NTVは、司会者がプリゴジン氏の性格に焦点を当て、強欲で暴力的なこそ泥だと表現。その経歴は「犯罪の宝庫」だとした。
人気の高い放送局ロシア1では、司会者がプリゴジン氏に対し、反乱の「説明責任」を果たすべきだと呼びかけた。また、同氏のサンクトペテルブルクの自宅を家宅捜索した際のものとされる、当局が公表した映像を流し、「汚職や犯罪と戦う活動家のために建てられた宮殿の様子を見てみましょう」と皮肉った。
紹介された映像では、ベッドの上に自動小銃、拳銃、弾薬など大量の武器が並べられていた。

画像提供, Izvestia

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他の映像では、大量の現金や金の延べ棒、複数のかつら、プリゴジン氏の偽造パスポートが映っていた。同氏のものとされる大型のハンマーの映像もあった。このハンマーは、数カ月前にワグネル脱走者を殺害するのに使われたものだと示しているとみられる。

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一方、テレグラムのワグネル関連のチャンネルは、これらの映像は仕組まれた偽物だと主張。捜索があったとされる家はプリゴジン氏のものではないとしている。
プリゴジン氏が率いた反乱では、ワグネルの戦闘員らがウクライナの野戦キャンプから、ロシア南部の都市ロストフ・ナ・ドヌに移動。いくつかの軍事施設を掌握した。
ワグネル戦闘員らはさらに、モスクワに向かって北上。ロシア大統領府は、首都など多くの地域で警備を強化した。
ウラジーミル・プーチン大統領はのちに、反乱の際にロシア軍パイロットが死亡したと説明。軍用機が数機、破壊されたようだと述べた。
プーチン氏は当初、ワグネルの行動を反逆罪にあたると非難した。しかし、反乱を終わらることになった取引では、プリゴジン氏は安全を保証され、ワグネルも刑事責任を問われないとされた。
ワグネル戦闘員たちについては、正規軍と契約するか、帰国するか、ベラルーシに向かうかの、いずれかを選択できるとされた。
最近の衛星写真では、ベラルーシの首都ミンスクに近い元軍事基地に、テントのようなものが立ち上げられている。だが、ワグネル戦闘員らがベラルーシ入りした形跡はない。











