【解説】 ロシアのウクライナ侵攻準備、どれくらい完了しているのか

デイヴィッド・ブラウン、BBCニュース

Picture of Russian soldiers

ロシアがウクライナ国境付近に約13万人規模の軍部隊を配置している。戦車、大砲、医療施設、後方支援態勢など、すべてがそろっている。

13万人は、ベラルーシで軍事演習に参加している約3万人を含めた人数だ。

アメリカは、ロシアが「いつでも」ウクライナに侵攻できる状態に部隊を置いているとしている。

一方、ロシアは攻撃の計画はないとしている。

Multiple rocket launchers being fire during the Allied Resolve 2022 joint military drills by Belarusian and Russian troops

画像提供, Russian Defence Ministry

画像説明, ロシアとベラルーシの合同軍事演習におけるロケット砲の発射
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部隊が移動

報道によると、侵攻に必要なロシアの主要支援部隊がここ数日、戦闘部隊に合流しているとされる。

支援部隊の一部には、戦車の修理作業場や、泥の除去器具、輸血が可能な野戦病院などが含まれていると考えられている。

アナリストらは、人員を配置した野戦病院が用意されたことが、攻撃準備の完了度を示す主要な指標かもしれないと指摘している。

Belarus quarters
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侵攻に必要な支援がすべての地域で整っているのかどうかは、はっきりしない。

ウクライナとの国境地帯には常時、約3万5000人の兵士が配置されている。ロシアはこれを増強する形で部隊を送り込んでいる。

A serviceman of motorized rifle unit of the Russian Southern Military District takes part in a cross country driving exercise

画像提供, Getty Images

画像説明, 演習に参加したロシア兵

最近派遣された部隊には、ロシア極東から6500キロ近く移動してきた一団もある。

大型装甲車両の多くは、鉄道で輸送されている。ウクライナ国境から約130キロ離れたロシアの都市クルスクを通過していくものもある。

その他の車両は道路を移動している。ブリャンスク地方のカラチェフを経由している。

T-72B3 tanks at the Kadamovsky Range in Rostov

画像提供, Getty Images

画像説明, ロシア軍のT-72B3戦車(同国ロストフで撮影)

ロシアがウクライナ周辺に派遣した兵士の人数は、10万人かそれ以上とする見方が有力だ。

西側の政府関係者は10日、人数が13万人に達したと見られると述べた。

イギリスのベン・ウォレス国防相は、ロシアが「戦闘部隊の半分」を、ウクライナ国境付近かベラルーシにすでに移動させていると話した。

ウクライナも似たような数字を挙げている。ロシア軍の地上部隊11万2000人と、海軍と空軍の約1万8000人が配置されているとしている。

通常のロシア軍部隊に加え、ウクライナのルハンシクとドネツクの2州には、親ロシアの約1万5000人の分離派がいるとみられている。ウクライナは、実際の人数はさらに多いと考えている。

米情報当局は昨年12月、ロシア軍の規模は短期間に17万5000人まで増強が可能だとの見方を示した。

ロシア軍
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上空から見ると

部隊の存在は、衛星写真に写ったテントの色で確認できる場合がある。

中に人がいるテントは熱がこもり、屋根の部分の雪が解ける。そのため上空からは色が濃く見える。

主力戦車が参加した演習も、はっきりと見て取れる。

戦車
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装甲車は形状から判断できる。タイヤ痕と泥からは、車両が移動していることがわかる。

衛星写真によって、クリミアで急激に動きが活発化していることが確認されている。1月後半と2月前半にロシアの兵士1万人が増派されたとの見方も出ている。

歩兵部隊と空挺(くうてい)部隊とみられる。一部の部隊には最高度の準備態勢が指示されている。

兵舎と車両
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ベラルーシに集結

ベラルーシでは同国軍とロシア軍の合同軍事演習が、今月20日まで予定されている。

ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領への支持を鮮明にしている。

ヘリコプター
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ウクライナの首都キーウ(キエフ)は、ベラルーシとの国境から150キロも離れていない。西側のウオッチャーは、合同軍事演習「同盟の決意」がウクライナに対する作戦のリハーサルになっている可能性があると指摘する。

北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ事務総長は、ベラルーシに3万人規模のロシア軍部隊が入っていると述べた。ロシアのベラルーシへの部隊派遣としては、冷戦後で最大規模だ。

衛星写真からは、ウクライナ国境から72キロほどのベラルーシ・イェルスク近郊に、ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の発射台が置かれているように見える。

Belarus equipment
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ロシアがベラルーシに送り込んでいるものには、防空システム、軍事物資、医療支援などが含まれている。

ストルテンベルグ事務総長は、ロシアの特殊部隊スペツナズも現地入りしていると述べた。

S-400 air defence system, sent by Russia, are seen at the Brestsky training ground in Belarus

画像提供, Getty Images

画像説明, ロシアのS-400防空システムもベラルーシに送り込まれている

ロシアの最新型Su-25攻撃機がベラルーシのルニネツ空軍基地に配置されているのも、衛星写真がとらえている。

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ルニネツ基地
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海で部隊が集結

ロシアは世界中で海軍の演習を実施している。大西洋から太平洋までの海域で、2月いっぱい続く。以下が参加している。

  • 140隻の戦艦と補助艦
  • 60機の軍用機
  • 1万人の兵士
The Admiral Essen frigate leaves Sevastopol to take part in exercises on 25 January

画像提供, Russian Defence Ministry

画像説明, フリゲート艦「エッセン提督」は1月25日、クリミア半島のセヴァストポリを出港した
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英仏海峡を1月に通過したロシア海軍の6隻は現在、黒海に入っている。

それらの船は、主力戦車、兵士、装甲車を陸揚げできる。

ロシア黒海艦隊は12日、クリミア周辺で30隻余りが参加する演習を始めたと発表した。

The Pyotr Morgunov sails through the Bosphorus Strait en route to the Black Sea on 9 February

画像提供, Getty Images

画像説明, トルコのボスポラス海峡を通過するロシアの揚陸艦ピョートル・モルグノフ。黒海へと向かった

ロシアのインタファクス通信によると、同国軍の幹部は14日、領海内に不法侵入する外国船や潜水艦を攻撃する準備ができていると話した。

ロシア政府は、黒海でミサイルや銃砲の演習をするとして、航行する船に警告を発している。

黒海
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アナリストの一部は、ロシア軍が海からウクライナに上陸するのは極めて難しいだろうと指摘。ロシア海軍は、ウクライナ軍の地上部隊を沿岸部に引き付ける「フェイント」の役割を果たすかもしれないとみている。

グラフィック:サンドラ・ロドリゲス・チリーダ、プリナ・シャー