ウクライナ情勢で米英首脳が協議 「外交解決の可能性残っている」で一致

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アメリカのジョー・バイデン大統領とイギリスのボリス・ジョンソン首相が14日、電話で協議した。ウクライナ危機について両首脳は、外交による解決への望みは完全に失われてはいないが、依然として警戒が必要だと話し合った。一方、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は同日、外交交渉が「尽くされたと言うには程遠い」と発言した。
米英首脳の電話協議は40分間にわたった。ロシアの軍事行動が迫っているとの警告が各方面から続出しているものの、合意の形成はまだ可能との意見で両首脳は一致した。
一方、ロシアのラヴロフ外相は14日、外交交渉が「尽くされたと言うには程遠い」とウラジーミル・プーチン大統領との会談で述べた。これは、交渉による緊張緩和の可能性を示す、ロシア側の譲歩姿勢と受け止められている
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ロシアはウクライナとの国境付近に10万人以上の規模の部隊を集結させている。だが一貫して、ウクライナ侵攻の計画はないとしている。
対して数十カ国がこれまでに、ウクライナにいる自国民に退避を強く呼びかけ、一部は大使館を退避・移動させている。アメリカは、空爆が「いつでも」始まり得るとしている。


「外交の機会残っている」
英首相官邸の声明によると、ジョンソン首相とバイデン大統領はこの日の電話協議で、「世界の指導者たちとの最近の協議について報告し合った」。
そして、「外交と、ロシアがウクライナへの脅威となっている状態から後戻りするため、きわめて重要な機会が残っているとの意見で一致した」という。
両者はまた、「ウクライナへのこれ以上の侵攻は、ロシアが長期的な危機に見舞われる結果となる。そうなれば、ロシアと世界の双方にとって広範囲の損害が生まれると強調した」という。
報道などによると、ジョンソン首相は、イギリスとしてできることは何でもする準備があると伝えた。これに対しバイデン大統領は、「仲良しの君なしではどこにも行かないよ」と返したという。
ジョンソン氏は15日に緊急治安閣僚会議(COBRA)を開き、ウクライナ情勢をめぐるイギリスの対応を協議する予定。
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ロシア外相が譲歩の姿勢か
ウクライナ情勢に絡んで14日、次の動きがあった。
- 国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「扇情的な発言」をしないよう警告。平和的解決を目指し、あらゆる努力をするとした。
- ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、国民に向けて強気の演説をした。ロシアが攻撃を開始する可能性があると米政府関係者が挙げている今月16日を、「団結の日」にすると宣言した。
- 米国防総省は、ロシアがウクライナ国境付近の部隊を増強していると述べた。また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領について、軍事力を行使しようと思えば多数の選択肢をもっているとした。
- ウクライナの米大使館は職員が完全退避し、首都キーウ(キエフ)から西部リヴィウに移った。
- ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、ウクライナ国境付近におけるロシア軍の演習について、一部が終了し、他も終わりに近づいているとプーチン大統領に伝えた。
- ロシアのラヴロフ外相はプーチン氏と面会し、西側と合意に至る可能性はあるかと問われ、「可能性が追求し尽くされたと言うには程遠い。(外交交渉は)いつまでも続くべきではないが、継続され強化されたほうがいい」と話した。
ラヴロフ外相の発言は、交渉による緊張緩和の可能性があることを示す、明確な譲歩と広く受け止められている。だがアナリストたちは、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟という難題をめぐってどちらかが動かなければ、こう着状態は続くとしている。
ロシアは、旧ソヴィエト連邦構成国で社会的・文化的にロシアと結びつきが深いウクライナが、NATOに加盟するのは容認できないと主張。西側に対し、NATOへの加盟を認めないことを確約するよう求めている。NATO側はこれを拒んでいる。
一方、ドイツのオラフ・ショルツ大統領は14日、ウクライナに到着した。危機に直面している同国に連帯を示すためで、このところ西側の首脳らが同様の動きを見せている。
ショルツ氏は、ウクライナ国境地帯でロシア軍が部隊を集結させていることについて、「合理的な正当化はできない」と述べた。また、ロシアが侵攻した場合は、西側各国がロシアに対し、「非常に広範囲で効果的な制裁」を科すと表明した。
アメリカは同日、F-15戦闘機8機をポーランドに追加派遣したと発表した。NATOの空域警戒に参加するという。アメリカはこれまで、NATO軍増強のため米兵3000人を近日中にポーランドに増派すると表明している。









