アフガニスタン、タリバン新政権でどうなる 「包括性」や女性の権利保護は
リーズ・ドゥセット国際問題編集委員長

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タリバンはこれまで、包括的な政権を樹立するとしてきた。暫定政府の顔ぶれが明らかになった今、その言葉は実現するのだろうか。
タリバン指導者の1人アブドル・ガーニ・バラダル師は、「アフガニスタンのすべての人を代表する包括的な政府を樹立するよう努めている」と、新政府におけるリーダーシップ確立を目的とした協議を開始するためにカブールを訪れた際に述べた。
8月15日にタリバンが突如としてアフガンの権力を掌握した後の初の記者会見では、同組織の報道担当ザビフラ・ムジャヒド幹部が「我々は平穏に暮らしたい」、「我々は内にも外にも敵を望まない」と語っていた。
アフガン人や外国政府、人道支援担当者、政治専門家など、タリバンの動向を注視する動きは世界中に急速に広まっている。タリバンを言葉ではなく行動で判断するというのが彼らの信条となっている。
しかし、その中で誰よりも注意深く動向を見守っているのはアフガン人だ。皆がそうせざるを得ない。
大胆な旗を掲げた勇敢な抗議者たちが、カブールやそのほかの都市にあふれかえったその日。アフガンの女性たちが、自分たちの権利や社会における役割などを求めて立ち上がったその日に、タリバンは暫定政府を発表した。
タリバンがメディアに精通していることがさらに裏付けられたのかもしれない。暫定政府が発表されると、タリバンが空に向けて発砲し、銃床や棒を使ってデモ隊を解散させたというニュースは、世界のトップニュースから一時的に消えた。
しかし、発表の場は控えめなものだった。記者会見という平凡なかたちで、重大で非常に待ち望まれていたメッセージが発信された。それはソーシャルメディアに衝撃を与え、タリバンの約束を信じていた人々にショックを覚えさせるものだった。
包括的であるどころか、タリバン以外は受け付けない排他的な人事だった。タリバンの古くからの組織体制は、その委員会や代表者、そして全権を有する首長であるマウラウイ・ハイバトゥラー・アクンザダ氏とともに、どこの国の政府にもあるような政治構造を持つ内閣へと移された。
美徳推進・悪徳撲滅省が復活し、女性課題省は廃止された。構成メンバーには圧倒的にパシュトゥーン族が多く、タジク族とハザラ族はそれぞれ1人ずつ。いずれもタリバンメンバーだ。女性は1人も副大臣職にさえ任命されなかった。
暫定政府は保守派と若い世代、そして軍司令官で構成されている。1990年代のタリバン支配の当事者たちが、さらにひげをたくわえて戻ってきた。ほかにも、米国のキューバ・グアンタナモ収容所に収監されていた人物や、アメリカや国連のブラックリストに登録されている人物、ここ数カ月であらゆる戦闘の前線を前進させた百戦錬磨の戦闘員、交渉のテーブルに着いた自称平和主義者、タリバン2.0という新たな政権発足を約束して各地域の首都を回っていた人物も含まれる。

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閣僚の中には、他国を刺激するような人物の名前も確認できる。
タリバン創設メンバーで、国連の制裁対象になっているモハマド・ハサン・アフンド師が暫定首相に就任した。
暫定内務大臣はシラジュディン・ハッカーニ氏。同氏の顔は、500万ドルの懸賞金を発表した米連邦捜査局(FBI)の指名手配ポスターに使用されている、キャラメル色のショールで一部が覆われた写真以外ではほとんど確認されていない。最近では、2020年に米紙ニューヨーク・タイムズに掲載された平和を求める論説が有名だが、同氏の名字にちなんで「ハッカーニ・ネットワーク」と名付けられた過激派組織が、アフガンの民間人に対する最悪レベルの攻撃の責任を負っていることには触れていない。ハッカーニのメンバーはそのようなネットワークは存在せず、現在はタリバンの一部だと主張している。
防衛大臣には、タリバン創設者で初代最高指導者だったムラー・オマル氏の長男モハメド・ヤクーブ・ムジャヒド師が就任した。
ただし、これはあくまでも暫定内閣だ。
カブールの記者会見場に集まったジャーナリストたちからは質問が飛び交った。いずれ、さらに多くのポストが発表されるかもしれないと言われていたからだ。文化委員会のアフマドラ・ワシク副委員長は、「我々はまだすべての省庁や代表を発表していない。人事リストが拡大する可能性はある」と、私の同僚のセカンダー・カーマニ記者に語った。
「純粋なイスラム体制」の復活を歓迎するためにカブールに流れ込んできた多くの戦闘員たちに報い、安心させるため、政治攻撃の口火を切ったのかもしれない。
また、慎重につくりあげた妥協人事であるともみられる。ハサン・アフンド師は突如、暫定首相としてトップに立つこととなり、ライバルで政治・軍事における重鎮であるアブドル・ガーニ・バラダル師は暫定副首相にとどまった。


タリバン指導者たちは、過去の政治指導者や、とりわけ汚職にまみれた人物の起用を求める声に反発しているとされる。
前回のタリバン政権下でも務めた外務副大臣に再び任命されたタリバンの交渉人シャー・モハマド・アッバス・スタニクザイ氏の言葉が、今でも耳に残っている。
アメリカとタリバンとの間で画期的な合意が結ばれた後、私はスタニクザイ氏に、タリバンの復権を恐れるアフガン人に何と伝えたいか尋ねた。彼は意気揚々とこう答えた。「我々は多数派に受け入れられる政府をつくると伝える」と。多数派という言葉を大きな声で強調しながら。
それはつまり、西洋思想ではなく伝統的価値観に支配された政府を意味していた。
アフガンの人々が、大胆にもこの戦争における最悪の事態が終わることを願う目まぐるしい日々が続いた。その年にカタールで行われたアフガンに関する公式協議の初日、タリバンは「イスラム首長国」の樹立を要求しないことを示唆すると、会場はざわついた。
女性交渉官との協議では、女性は大統領を除くあらゆる地位に就けると、タリバンは話していた。閣僚にもなれると。
しかしこれは当時の話で、現在の状況は違う。今はタリバンがアフガンを支配している。
「アフガンの社会構造に注意を払わない者は、重大な問題に直面するだろう」と、交渉官でアフガン国民議会の元議員、ファウジア・クフィ氏は警告する。
この問題はすでに、街頭での抗議活動や世界各国からの声明に明確にはっきりと現れている。
米国務省は「世界が注視している」と警告する声明を発表。ロシア紙ニェザヴィーシマヤ・ガゼータは社説で、「タリバンがすぐに国際的に承認される可能性はほとんどない」とした。
そして、タリバン内部の若い世代の間にも問題が生じるかもしれない。
若いタリバンメンバーは最近、「歴史の教訓に注意を払わなければならない」と私に語った。タリバンが再び国を支配しようとすれば、2001年のようにまた転覆させられる可能性があると。別のメンバーは、宗教的な事柄しか学んでいないイスラム教徒男性に多くの役職が与えられていることが不安だと口にした。

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暫定内閣の発表から間もなく出された声明の中で、タリバンの最高指導者マウラウイ・ハイバトゥラー・アクンザダ氏は「すべての才能あるプロフェッショナルな人々」の「才能、助言、務め」を切実に求めていると述べた。
しかし、アクンザダ氏のあらゆる言葉には、再建されたイスラム首長国という「システム」の強化が最重要課題であるということも明確に示されていた。ほかのどんなことよりも優先されると。
ここ数日、私はカブールで、タリバン指導部が時間がたつにつれ強硬姿勢を強めると思うか、あるいは開放的になると思うか、タリバンの動向を注視する様々な人に尋ねた。
強い力が働けば、タリバンは様々な方向に傾くかもしれない。
アフガンの前政権の予算の約8割を拠出していた世界の主要な支援機関は、情勢を注視している。
国連で人権問題を担当するマーティン・グリフィス事務次長は、「アフガンの人々は非常に困窮した状況にある」と私に述べた。グリフィス氏はカブール訪問を終えたところだった。同氏は現地でタリバンと会談し、女性や少女の社会参加を含む人道的原則や価値観の重要性を強調した。タリバン幹部から忍耐と助言を求められたという。
アフガンの新たな指導者たちは、世界中のイスラム聖戦主義者たちからも注目されている。イスラム聖戦主義者たちはシャリア(イスラム法)に準拠したイスラム統治の新たな国の誕生を熱烈に歓迎している。
アフガニスタンには、「大きすぎて潰せない」という表現がしっくりくる。過激派グループにとっての安全な隠れ場所になるかもしれないことへの警戒、人権への懸念、そして飢えや苦難といった人道的危機の悪化などを理由に、多くの人は異なる未来を模索する代わりに、自分たちのやり方を見つけようとしている指導者たちと協力する方法を探そうとするだろう。
それでも、言葉ではなく行動が最も重要だという彼らの信条は変わらないだろう。









