米テキサス州の洪水、死者100人以上に

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米テキサス州中部を4日未明に襲った鉄砲水による死者数は、7日午後までに100人を超えた。捜索救助隊は、雨と雷雨がまだ続く恐れがある中で、泥にまみれた川岸を歩きながら作業を続けている。だが、災害発生から4日が経過した今、生存者発見の希望は薄れつつある。
当局によると、7日午後までに少なくとも104人の死亡が確認され、41人が行方不明となっている。
洪水の犠牲者のうち少なくとも84人はカー郡で死亡した。84人のうち、56人は大人、28人が子どもだった。
カー郡では、アメリカ独立記念日の7月4日未明に激しい豪雨でグアダルーペ川が氾濫した。郡保安官事務所によると、死者のうち大人22人と子ども10人の身元がまだ確認されていない。
カー郡の近隣のトラヴィス郡、バーネット郡、ウィリアムソン郡、ケンドール郡、トム・グリーン郡でも死者が確認されている。
米国立気象局(NWS)の最新予報では、動きの遅い雷雨がさらに発生し、地域に再び鉄砲水をもたらす可能性があるとされている。
一方、ホワイトハウスは、NWSへの予算削減が災害対応を妨げたという指摘を否定した。

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女子サマーキャンプが被害発表
氾濫したグアダルーペ川沿いにあったキリスト教系の女子サマーキャンプ場「キャンプ・ミスティック」は7日、少なくとも計27人の少女と職員が死亡したことを確認した。少女10人とスタッフ1人が、依然として行方不明となっている。
キャンプ・ミスティックは7日に声明を出し、「想像を絶するこの悲劇に耐えているご家族と共に、私たちの心も引き裂かれている」と述べた。
地元紙「オースティン・アメリカン・ステーツマン」によると、キャンプ・ミスティックの共同経営者でディレクターのリチャード・イーストランド氏(70)は、子どもたちを助けようとして命を落とした。
地元の牧師でイーストランド氏の家族を知るデル・ウェイ氏はBBCに対し、「地域全体が彼を惜しむはずだ。彼は英雄として亡くなった」と話した。
政府による予算削減の影響は
ドナルド・トランプ政権に批判的な人たちは、NWSを運営する米海洋大気局(NOAA)の人員を政権が数千人規模で削減したことと、今回の災害を結びつけようとしている。
一方、今回の被災地域の予報を担当したNWS事務所では、4日夜にテキサス上空で雷雨が発生した際、悪天候が予想される時の夜勤体制と同様、職員5人が勤務していた。
ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は7日、政権への非難に対して、今回の洪水は「神のしたこと」だったと定例会見で述べた。
「洪水があの時に発生したのは政権の責任ではない。だが、警告は早期に、そして継続的に出ていた。国立気象局はその役割を果たした」と、報道官は強調した。
レヴィット氏は、オースティン・サンアントニオのNWS事務所が洪水前日に地元当局向けに説明会を開き、その午後には洪水注意報を発令したこと、さらに夜間から4日未明にかけて複数の洪水警報を出したと説明した。
トランプ政権は、NOAAの年間予算61億ドルについて25%の削減を提案している。ただし、この削減案は、今年10月に始まる2026会計年度から適用される予定のため、今回の洪水予報体制には影響していない。
これとは別に、NWSの人員は今年1月以降、トランプ政権による効率化方針の一環として、すでに削減されている。

トランプ大統領は6日、連邦政府の予算削減が災害対応に影響を与えたかと問われた際、当初は「バイデンの仕組み」と呼ぶ前政権に責任を転嫁するような発言をしたものの、「バイデンのせいだと言うつもりもない」として、「これは100年に一度の大災害だ」と述べた。
テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員(共和党)は7日の記者会見で、今は「党派的な非難合戦」をしている場合ではないと述べた。
他方、地元の活動家ニコル・ウィルソン氏は、カー郡に洪水警報サイレンの設置を求める署名活動を行っている。
他の郡では導入されているこのシステムは、カー郡でも約10年前から議論されてきたが、これまで予算が割り当てられたことはなかった。
テキサス州のダン・パトリック副知事は7日、こうしたサイレンが命を救った可能性があると認め、来年の夏までに設置されることになるはずだと述べた。
この間、被災地の惨状に対して世界各地から哀悼の意が寄せられている。イギリス国王チャールズ3世はトランプ大統領に書簡を送り、壊滅的な洪水に対する「深い悲しみ」を表明した。在ワシントンのイギリス大使館によると、国王は愛する人を失った人々に「最大限のお悔やみ」を伝えたという。













