米テキサス州の河川氾濫、死者81人以上に 子ども28人含む

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米テキサス州中部で4日に発生した河川氾濫のため、現地時間7日未明までに少なくとも81人の死亡が確認され、さらに41人が行方不明となっている。死者のうち68人はカー郡に集中し、その中には子ども28人が含まれている。
近隣のトラヴィス郡では2人、バーネット郡では3人、ウィリアムソン郡では2人、ケンドール郡では2人、トム・グリーン郡では1人、それぞれ死亡が確認された。
洪水被害の特に大きかったカー郡では、川沿いにあるキリスト教系の女子キャンプ場「キャンプ・ミスティック」が浸水。このキャンプに参加していた女子10人とスタッフ1人が、まだ行方不明になっている。
地元当局は、死者数がさらに増える可能性が高いとみている。被災地域では今後24〜48時間の内にも大雨が予想されている。救助隊はこれまでも、毒ヘビが多数生息する泥やがれきの中での活動に苦慮しているため、今後の天候悪化による影響が懸念されている。
水害発生から3日が経過し、近年のテキサス州で特に大規模なものになった捜索救助活動は、遺体の収容作業へと移行しつつある。

ドナルド・トランプ米大統領は6日、カー郡に対する大規模災害宣言に署名し、連邦緊急事態管理庁(FEMA)の支援をテキサス州に対して発動した。また、11日に自ら現地を訪れる可能性があると述べた。
トランプ大統領は6日、ニュージャージー州で「テキサス州の関係者ときわめて緊密に連携している。今回の出来事は本当にひどい、まったくひどいことだ」と話した。
世界各地からも被災者を見舞う言葉が相次いでおり、ヴァチカンからはローマ教皇レオ14世が6日、テキサス州の被災者のために特別な祈りをささげた。
「アメリカのテキサス州で発生したグアダルーペ川の洪水による災害で、大切な人を失った人たちに、特にサマーキャンプに参加していた娘たちを失った家族に、心から哀悼の意を表したい」と教皇は追悼し、「その皆さんのため、祈りをささげる」と述べた。
カー郡で収容された遺体のうち、18人の大人と10人の子どもは、いまだ正式に身元が確認されていない。
テキサス州のグレッグ・アボット知事は6日、行方不明者全員が見つかるまで「あらゆる手段を尽くす」と述べた。
5日に被災地を視察した知事は、「(キャンプ場の)幼い子どもたちが何を経験したのか目の当たりしにした。まさに悲惨だ」と話した。
洪水は4日未明夜に発生し、川の水位がわずか45分間で約8メートル上昇した。
キャンプ・ミスティックでは当時、ほとんどの参加者は就寝中だった。多数の少女のほか、長年キャンプを運営してきたリチャード・イーストランド氏も死亡者に含まれている。

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犠牲者や遺品が遠く流され
海軍特殊部隊の元隊員で、救助団体「300ジャスティス」にボランティアとして参加するグレッグ・フローリック氏は、生存者の捜索活動に協力している。
フローリック氏はBBCの取材に対し、キャンプ・ミスティックがあった場所から下流に約13キロ離れた地点で、複数の犠牲者が見つかったという情報があると話した。また、「キャンプのタンスに入っていた衣類や物品が、川の上下流に散乱しているのを見た」と述べた。
キャンプ・ミスティックの参加者に加え、アメリカ独立記念日(7月4日)の週末にかけて、大勢がキャンピングカーなどでグアダルーペ川沿い各地を訪れていたとみられるため、洪水で何人が流されたのか把握できていない。
グアダルーペ川沿いを通り、カー郡の中心都市カーヴィルとキャンプ・ミスティックを結ぶ2車線の幹線道路の近くは、壊滅的な状況となっている。被災した家屋の周りに倒木や流された家具が散乱し、フェンスは倒れ、一部地区では電線が切断している。

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住民の助け合い
現地では、住民たちが支援活動に立ち上がっており、物資の収集や避難所の提供など、被災者の支援に尽力している。
近くの主要都市サンアントニオ市から車で駆けつけたアルマ・ガルシア氏は、住民や清掃作業にあたるボランティアに手作りの食事を届けていた。
BBCの取材班は、ガルシア氏が道路脇に車を停め、重ね着をしていたTシャツの上着を脱ぎ、住民の女性に渡す様子を目にした。
ガルシア氏は「彼女は全身びしょ濡れだったから。これがいるでしょうと言って、渡した」のだとBBCに話した。

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地元住民のペルラ氏は、4日にウォルマートでの勤務を終えた後、衣類や靴を集め始め、翌朝には避難所に届けたという。
「こんなこと、今まで見たことがない」とペルラ氏はBBCに話した。









